エンブラエル社は更に900人の従業員解雇発表(2020年9月3日付けヴァロール紙)

3日エンブラエル社は、新たに900人の従業員解雇を発表したが、COVID-19パンデミック並びに4月25日のボーイングとエンブラエルは計画していた民間機事業の統合中止発表などの要因で、全従業員の12.5%に相当する2,500人の解雇を余儀なくされているが、航空業界の航空機メーカー各社は既に全従業員の10%~20%の削減を行っている。

エンブラエル社は、ボーイング社との民間機事業の統合中止並びにCOVID-19パンデミックの影響で、今年上半期の航空機の納入は、前年同期比で75.0%下落を記録して壊滅的な打撃を受けている。

ボーイング社との民間機事業の統合中止の発表直後に、エンブラエル社のFrancisco Gomes Neto社長は、COVID-19パンデミックの影響による販売並びに純益悪化対応として、コスト削減のための集団休暇制度、希望退職制度(PDV)、労働時間短縮並びにレイオフ制度の導入を実施していた。

今回の900人の従業員解雇には、ボーイング社との合弁会社に就任予定の取締役が含まれている。今年6月に4人の副社長がエンブラエル社を去ったが、その中にはエンジニアリング担当や企業戦略担当の副社長も含まれていた。また7月にはその他の取締役やマネージャー級の従業員がエンブラエル社を離職していた。

今回のエンブラエル社の900人の従業員解雇で最も影響を受けたのは、サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポス工場の従業員であった。

COVID-19パンデミックの影響で、世界各国が感染拡大が激しい都市のロックダウン並びに外出自粛政策の導入で観光業界並びに航空業界は計り知れない影響を受けており、またCOVID-19パンデミックの終焉が不透明なために、今後の見通しが立たない状況が続いている。

エンブラエル社は、今年の商用ジェット機販売を当初予定の50%削減を余儀なくされている。またBoeing社並びにAirbus社では、自社従業員の10%~15%の削減を既に発表。航空機業界のサプライヤー最大手のGeneral Electric社では航空機向けタービン工場などの従業員を中心に25%に相当する1万3,000人の従業員の解雇を実施している。

エンブラエル社並びにボーイング社のジョイントベンチャー計画では、2019年に4億8,550万レアルを投資して民間機事業の新会社「Boeing Brasil – Commercial」の株式をボーイングが80%、残り20%をエンブラエルで合意していた経緯があった。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要急減が、航空会社の経営に打撃を与えており、各航空会社は大幅減便や運休などで対応しているものの感染の終息は見通せず、またエンブラエルが生産している小型ジャット機の需要がコロナウイルス発生前のレベルに回復するのは、2021年最終四半期になると予想されている。

 

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