ペトロブラスは岩塩層上(ポストソルト)鉱区並びにポートフォーリオ資産売却を加速(2020年9月16日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社は、COVID-19パンデミック後初めて5年間の短期投資計画の見直しを実施、特に同社のコア事業に位置付けされている岩塩層下プレソルトに投資金を集中させる。

同社の原油生産を牽引する生産減少傾向にある岩塩層下(プレソルト)のサントス海盆ブージオ油田向け投資を最大240億ドル削減、今後数年間で石油の国際コモディティ価格減少予想に対して、生産減少傾向の油田の売却を進める。

同社は2021年~2025年の新たな短期5か年計画では、投資総額を400億ドル~500億ドルへの下方修正を余儀なくされている。最大640億ドルが見込まれていた2020年~2024年の5か年投資計画よりも最小22%~最大37%の削減を余儀なくされている。

またペトロブラスはレアル通貨に対するドル高の為替の影響以外にも、プレソルト鉱区の最適化、新たな自社資産売却の見直し並びにポートフォーリオプロジェクトの見直しを進める。

2020年~2024年の5か年投資計画では、1日当たりの石油生産を270万バレル(BOE)から350万バレルへの増産計画であったが、Ativa Investimentos社アナリストのIlan Arbetman氏は、原油開発プロジェクトの中止や先送り、予想を上回る生産減少の可能性もある一方で、岩塩層下原油開発の生産コスト削減が今後の利益確保を左右する要因となっている。

投資計画見直しの一環として、投資金をコア事業のプレソルト油田開発に集中するために、地上油田や海洋油田の売却を余儀なくされて原油生産に結びつくが、生産量が減少してきているプレソルト油田の生産維持には更なる投資が必要なために、ペトロブラスが100%の権益を持っている油田も売却対象となっている。

ペトロブラスにとって岩塩層上(ポストソルト)油田は投資削減の大半を占め、2025年迄の前回の投資計画では185億ドルが見込まれていたが、新たな計画では40%~52%減少に相当する88億ドル~110億ドルに変更する。2015年の岩塩層上ポストソルト油田の原油生産は200万バレルであったが、今では100万バレルに減少している。

ペトロブラスは現在の負債総額910億ドルを2022年には600億ドルまで減少する計画となっているが、株主に対する配当金支給に対する新たなポリシー導入が避けられない。

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