今年の海外投資家の資金引き揚げは昨年の2倍以上か(2020年10月7日付けヴァロール紙)

2020年の海外投資家によるブラジル国内のリストの高い金融投資決算予想では、引揚げ総額が投資総額を240億ドル(1,340億レアル相当)上回ると予想、昨年1年間の引揚げ総額が投資総額111億ドル(620億レアル相当)の2倍以上の引揚げを国際ファイナンス協会(IIF)は予想している。

また製造業部門などの長期投資となる生産部門の海外投資家による今年の対内直接投資総額は、COVID-19パンデミックによる世界的な経済縮小の影響を受けて、490億ドルと昨年の730億ドルから240億ドル近く減少すると予想されている。

今年の海外投資家による多岐にわたるブラジル国内向けの投資引揚げを差し引いた投資残高は、110億ドルと昨年の590億ドルの5分の1以下に留まると予想されている。

世界70か国の450銀行や投資ファンドで構成される国際ファイナンス協会(IIF)では、今年のブラジルからの金融投資金引揚げは、株式市場からの引揚げの180億ドルが牽引すると予想、昨年は27億ドルであった。

今年の株式以外の国債などの確定金利付きの金融市場からの投資金引揚げ総額は、60億ドル予想で昨年の84億ドルを大幅に下回ると国際ファイナンス協会(IIF)では予想している。

国際ファイナンス協会(IIF)のラテンアメリカ調査部門責任者であるマルティン・カステッラーノ氏によると、今年のレアル通貨に対するドル高の為替は海外投資家にとって、ブラジルの資産は安価な投資対象となっている。

今年10月までのレアルに対するドル為替は40%上昇しており、海外投資家にとってブラジル企業の株式やブラジル国債購入のチャンスとなっている一方で、レアルがドルの為替に対して更に下落する可能性もある。

連邦政府の財政赤字は続けてブラジルのアキレス腱となっており、連邦政府による財政支出コントロールは未熟で、試練を受けているとカステッラーノ氏は指摘している。

ブラジルはGDP比占める割合の対内債務残高が他の新興国諸国よりも高いままCOVID-19パンデミックに突入、また先週も家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わる「Renda Cidadã 市民所得」プログラムの資金源で政治問題が発生している。

今年初め8か月間の財政プライマリー収支は、昨年同期のGDP比0.46%から一気に12.1%に相当する5,490億レアル、COVID-19パンデミック対応の月額600レアルの緊急補助金(auxílio emergencial)だけで2,130億レアルの臨時歳出に繋がっている。

今年8月の連邦政府の対内債務残高はGDP比88.8%と昨年同期のGDP比75.8%から13.0%急増、今年末にはGDP比95.0%に達すると予想されて危惧されている。

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