ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2020年8月の自動車並びに建材を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は前月比3.4%増加、調査を開始した2000年1月以降では最高レベルに達している。
8月の一般小売販売量は、COVID-19パンデミックショック後4ヶ月連続で前月比増加を記録。Valor Data社による27社のコンサルタント会社並びに金融機関対象の調査結果の平均伸び率3.2%増加を若干上回る結果となった。この調査では最低予想1.2%増加、最高予想は8.6%を大きな予想差が生じていた。
過去4か月間の一般小売販売量の回復は、市場関係者の予想を上回る回復を示しており、連邦政府による手早い緊急救済策による一般消費者の消費拡大の影響で、6月の一般小売販売量は前月比5.0%増加を記録している。
今年8月の自動車並びに建材を含む広範囲小売販売量は前月比4.6%増加、Valor Data社の27社対象の調査結果の平均伸び率4.1%増加を0.5%上回る結果となった。この調査では最低予想2.1%増加、最高予想は6.5%であった。また8月の前年同月比では7.6%増加、今年初め8か月間では5.0%増加、過去12か月間ではマイナス1.7%であった。
今年8月のインフレ指数を考慮しない名目広範囲小売販売量は前月比5.2%増加、前年同月比では7.7%と大幅に増加を記録している。8月の一般小売販売調査の10セクターのうち7セクターで増加している。
8月の一般小売販売量のうち繊維・衣類・履物セクターは前月比30.5%増加、日用雑貨・装身具類セクター10.4%増加したが、これにはオンライン販売やマガジン・ルイザなどの大手小売りチェーンの玩具・寝具・入浴品などが含まれている。
また家具・家電セクターの小売販売量は4.6%、情報機器・事務機器・通信機器セクター1.5%、燃料・潤滑油セクターは1.3%それぞれ増加していた。
一方8月の一般小売販売量が不振であったセクターとして、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクター販売量は前月比マイナス1.2%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターはマイナス2.2%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターはマイナス24.7%の二桁台の落込みを記録していた。
また調査対象の27州のうち25州の8月の一般小売販売量は増加、アクレ州は15.6%、ロンドニア州12.8%、アマパ州12.1%それぞれ増加、サンパウロ州は僅かに0.4%増加を記録した一方で、トカンチンス州はマイナス2.4%、南大河州もマイナス0.2%を記録していた。