8月のM&A件数は過去最高記録(2020年10月14日付けエスタード紙)

コンサルタント会社PwC Brasil社の調査によると、COVID-19パンデミックの影響が一段落した2020年8月のブラジル国内のM&A件数は、前年同月の68件よりも65%増加の112件に達して、過去20年間で最高記録に達している。

今年8月のM&A件数が過去20年間で最高となる112件に達した要因として、COVID-19パンデミックによる営業や生産中止で企業の業績悪化の立て直しを余儀なくされており、企業存続のためのM&A件数が増加している。

過去の企業の買収や吸収合併は、自社の事業拡大のための戦略の一環として実施されていたが、今年8月のM&A件数増加は、COVID-19パンデミックによる採算悪化による自社の存続をかけた一部事業の売却などが牽引しているとPwC Brasil社のLeonardo Dell’Osoパートナーは指摘している。

多くの企業はCOVID-19パンデミックによる企業活動の停止や売上減少で、企業の存続をかけた運転資金の調達の必要性に駆られてM&Aを模索しており、過去のM&Aのような企業拡大のためのM&A投資とは異なっている。

多くの企業はCOVID-19パンデミック期間中は、運転資金確保のために従業員の勤務時間短縮や一時解雇、サプライヤーへの支払い遅延や分割払いなどを図ってきたが、運転資金が底をついて企業存続が困難な企業は、ぎりぎりまで銀行やサプライヤーとの折衝を余儀なくされていた。

今年初め8か月間のM&A件数は、595件に達して過去最高のM&A件数を更新、今年1年間のM&A件数は、昨年の912件を突破する1,000件に達するとDell’Osoパートナーは予想している。

今年初め8か月間のM&A件数595件は、前年同期の426件を24.0%上回っているが、そのうち海外投資家によるM&A件数は、COVID-19パンデミックによる世界的な経済停滞の影響で、前年同期比4.0%減少の151件に留まっている。

今年初め8か月間のブラジル国内のM&A件数比較では、南東部地域は全体の66%を占めてトップ、南部地域17%、北東部地域8.0%、中西部地域3.0%、北部地域は僅かに2.0%を占めている。

また産業別の今年初め8か月間のM&A件数比較では、情報通信テクノロジー部門のM&A件数は222件で前年同期比44%増加。補佐サービス業部門は2.0%増加の45件、金融サービス部門は21.0%減少の22件であった。

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