COVID-19パンデミックによる緊急救済策導入などによる連邦政府の公共負債の急増で財政悪化が進行しているにも関わらず、国庫庁の2021年1月~4月の4か月間にブラジル国債の償還総額は、ブラジルの対内負債残高の15.4%に相当する6,430億レアルの支出を余儀なくされている。
連邦政府が来年初め4か月間にブラジル国債の償還総額6,430億レアルの資金調達のためには、新たなブラジル国債発行による資金調達が必要となるが、対内負債残高の増加を余儀なくされる。
連邦政府はCOVID-19パンデミック対応策として、膨大な臨時歳出を意義なくされている影響で、今年末の連邦政府の公共負債総額はGDP比100%に達する可能性があり、新興国の中ではブラジルの公共負債総額のGDP比が非常に高く、海外投資家はブラジルに対する中長期的投資見直しの可能性が上昇している。
しかし、ジャイル・ボルソナーロ大統領を再選するポピュリズム対策の可能性が連邦政府の財政再建の調整を妨げるのではないかと懸念されている。悪化する財政再建への対応の遅れ並びに今年11月の地方統一選挙後のボルサ・ファミリア政策に替わる「Renda Cidadã 市民所得」などの代替社会プログラムの資金調達難航は、金融市場の緊迫感を増加させている。
今年8月末の連邦政府の対内債務残高は4兆1,740億レアルに達している。2021年1月の国庫庁のブラジル国債の償還総額は1,267億レアル、2月は160億4,000万レアル、3月は1,854億レアル、4月は3,151億レアルと今年初め4か月間の償還総額3,568億レアルに匹敵する返済を余儀なくされる。