米国代表団は中国批判拡大、ブラジル国内の5G向けファイナンス提供(2020年10月20日付けエスタード紙)

ブラジルを訪問中の米国代表団は、ブラジル国内の次世代の通信規格である5G向け基地局のインフラ整備入札で、中国国籍以外の企業を選択をすることを希望しているとインタビューで強調している。

ブラジルのモウラン副大統領は8月初めに、5G向け基地局の整備をめぐる入札について、中国の通信大手ファーウェイの入札参加を排除しない方針を改めて強調していた。

モウラン副大統領は、5G 入札について、ファーウェイが有利な立場にあるとの見方を示し、ファーウェイに対して「ブラジル政府のルールに従う透明度の維持」のみを求めていると強調。また、ブラジル国内では3分の1の4G基地局がファーウェイの設備を使用しており、ファーウェイの入札を禁止した場合、既存の設備撤去などで大きな損失を蒙ると指摘していた経緯があった。

米国は中国資本ファーウェイ社のブラジルの5G入札の反対キャンペーンを行っており、米国はブラジルの情報通信分野のどのような投資にもファイナンスを準備していると強調している。

米国家安全保障会議(NSC)西半球問題担当のJoshua Hodgesシニアディレクターは、「中国は情報へのアクセスをサポートしていない上に、香港で何をしたかを参照すべきである。米国は、仮に中国企業が落札すれば5G技術はブラジル国内のユーザーのためではなく、中国政府のためにデータと情報技術をどのように使用するかについて懸念している」と付け加えました。

連邦政府は政治面において親米路線を推進しているにも関わらず、経済面において実利を重視する姿勢が鮮明になっている。ブラジルの財政難に加え、ブラジル国内における新型コロナウイルス感染収束の見不透明な状況では、5G基地局のインフラ整備に対して低価格で速やかにインフラ投資ができる海外企業の選択が避けられない。

5G技術は、モバイル通信ネットワークの第5世代で、1秒あたりに送れるデータ量は最大で1ギガビットの4Gの20倍の速度を擁し、5Gがスマートフォンやフィーチャーフォンで利用している「3G/4G」の単なる進化版ではなく、クルマの自動運転、高精細な4K/8K映像のデータ伝送、製造プロセス全体を最適化するスマートファクトリー、ロボットアームを使った遠隔手術など「新たな社会インフラ」として期の活用が期待されている。

Hodgesシニアディレクターは、米国はブラジルの相互利益のパートナーであり、「中国企業とは異なり、米国は脅威を持ってここにいるのではなく、代替案を提供している。我々は中国との取引禁止と言っているのではなく、ブラジルが他国のビジネスパートナーを選択して、ブラジル人との協力関係を強化したい」と強調している。  

「5Gネットワーク上でHuawei社の技術を採用すると、連邦政府の国家安全保障面、または民間企業が新製品を革新して開発するスキルを持つなど、ブラジル国内のどこでも生成されるほぼすべてのデータをバックドアと解読する能力を擁している」とHodgesシニアディレクターは指摘している。

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