鉄鋼製品の在庫薄で国内マーケットの鉄鋼製品不足懸念(2020年10月21日付けエスタード紙)

ブラジル国内の鉄鋼製品の在庫が平常時よりも低に水準で推移しているために、いつ鉄鋼製品の供給不足が発生してもおかしくないとブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)のCarlos Loureiro会長は指摘している。

ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の調査によると、今年9月の鉄鋼製品の在庫は、前月比7.8%減少の70万3,500トンと平均在庫は営業日数換算で1.7か月まで落ち込んでいる。過去数年間の平均在庫は、営業日数換算で3.1ヶ月~3.2ヶ月で推移していたが、理想は2.5ヶ月~2.8ヶ月とCarlos Loureiro会長は指摘している。

今年9月の国内マーケットの鉄鋼製品販売は、前年同月比239.0%と大幅に増加。機械・機器部門では、90%以上の企業が鉄鋼卸売ディストリビューターから鉄鋼製品を購入している一方で。大量発注が可能な大企業だけが工場鉄鋼メーカーから直接購入できると説明している。鉄鋼メーカーは市場に対応するために鉄鋼製品生産を再開しており、来年初めに在庫状況を正常化するとLoureiro会長は見込んでいる。

国内市場の鉄鋼製品の在庫レベルは、来年1月に正常化すると予想されているが、COVID-19パンデミックに影響で生産中止していた高炉は、生産を再開して年末にはフル稼働できる体制となる一方で、鉄鋼メーカー恒例の年末の集団休暇制度の導入は不明となっている。

ウジミナス製鉄所の高炉は既に再開、アルセロール・ミッタル社も10月に第3高炉を稼働、ナショナル製鉄所CSNは第2高炉を11月に再開する予定となっており、12月には国内市場への充分な鉄鋼製品供給が可能となるとLoureiro会長は説明している。

今年9月の国内の卸売ディストリビューターの鉄鋼製品購入は、前年同月比29.2%増加の31万6,700トン、前月比2.6%増加、前期同様に販売は39.0%増加の40万3,100トン、前月比7.8%増加している。

今年初めの今年の鉄鋼販売は、前年比5.0%増加が予想されていたにも関わらず、COVID-19パンデミックの影響で前年比マイナス20%の大幅下方修正を余儀なくされていたが、今では前年比8.0%~9.0%増加と大幅増加に上方修正されている。

業界関係者は鉄鋼製品価格は11月に新たな値上げを予想、ナショナル製鉄所は既に値上げを発表、ウジミナスも11月に約10%前後の値上げを示唆している一方で、ゲルダウ社は未だに値上げを発表していないが、他社に追従すると予想されている。

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