今年9月の経常収支は6ヶ月連続で黒字計上(2020年10月23日付けエスタード紙)

2020年9月のブラジルの経常収支は、6ヶ月連続となる23億2,000万ドルの黒字を計上、9月の経常収支黒字としては、1995年1月から統計を取り始めて最高の黒字額を記録している。

記録を更新した9月の経常収支黒字は、3月から始まったCOVID-19パンデミックの影響による国内経済の停滞で、資本財の輸入が大幅に減少が要因となっている。中銀は今年9月の経常収支黒字を37億ドルと見込んでいた。.

今年9月の経常収支の売り訳では、貿易収支は53億5,500万ドルの黒字を計上した一方で、サービス収支は16億2,100万ドルの赤字計上、所得収支は16億2,500万ドルの赤字計上、経常移転収支は23億1,300万ドルの黒字を計上している。今年9月の対内直接投資総額は15億9,700万ドルと昨年同月の4分の1まで縮小している。

今年初め9か月間の累計経常収支は64億7,600万ドルの赤字を計上、中銀の最終の四半期インフレレポート(RTI)によると、今年の経常収支は102億ドルの赤字を予想している。

また9月の過去12か月間の経常収支は、GDP比1.37%に相当する206億5,600万ドルの赤字を計上しているが、2018年4月のGDP比1.21%以降では最小の赤字となっている。今年9月の対内直接投資総額は、COVID-19パンデミックの影響で世界経済の縮小に伴って、昨年9月の60億3,300万ドルの4分の1に相当する15億9,700万ドルに留まっている。

ブロードキャストプロジェクションの今年9月の対内直接投資予想は最低16億ドル、最高63億ドル、平均は21億ドルであった。中銀では20億ドルを予想していた。

中銀の発表によると、今年上半期の対内直接投資は3月からのCOVID-19パンデミックの影響で、世界的な直接投資減少の煽りを受けて253億4,900万ドルに留まり、昨年9月の322億3,300万ドルを70億ドル近く下回っている。

今年初め9か月間の製造業部門向けの長期の対内直接投資総額は285億5,400万ドル、中銀では今年の対内直接投資総額を500億ドルと見込んでいる。9月の過去12か月間の対内直接投資総額はGDP比3.31%に相当する500億レアルであった。

今年9月のブラジル人による海外旅行の支出は、3億100万ドルと昨年同月の13億3,000万ドルよりも77.3%減少して、2004年9月以降では最低の支出に留まっている。今年9月のブラジル人による海外旅行支出が急減した要因として、レアル通貨に対するドル高の為替及びCOVID-19パンデミックによる航空機の飛行禁止や不透明な国境封鎖の可能性が挙げられる。

今年初め9か月間のブラジル人による海外旅行支出総額は、44億1,100万ドルと昨年同月の133億4,400万ドルよりも67%の大幅減少を記録している。一方今年9月の外国人によるブラジル国内での旅行支出はドル高の為替にも拘らず、僅か1億6,400万ドルと昨年9月の4億ドルの半分以下の支出に留まっている。

また今年初め9か月間の外国人によるブラジル国内での旅行支出は,23億8,200万ドルと昨年9月の45億4,200万ドルの半分まで落ち込んでいる。

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