中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の2020年9月の財政プライマリー収支赤字は、761億5,400万レアルで9月としては統計を取り始めた1997年以降では最大の赤字を計上している。
今年初め9か月間の中央政府の財政プライマリー収支赤字は6,774億3,600万レアルと過去最高の赤字を記録、また9月の過去12か月間の財政プライマリー収支赤字はGDP比9.8%に相当する7,070億レアルを記録している。
中央政府の今年8月の財政プライマリー収支は960億9,600万レアルの赤字を計上、昨年9月の財政プライマリー収支赤字は、204億7,100万レアルで今年9月の約4分の1であった。
ブロードキャストプロジェクションの23金融機関対象の調査によると、今年9月の財政プライマリー収支の平均赤字額は774億レアル、最高予想は977億レアル、最低は651億レアルであった。
9月の財政プライマリー収支赤字が761億5,400万レアルに達した要因として、COVID-19パンデミック対応による緊急財政支出の大幅な増加並びに各種納税の先送りが大幅な赤字の要因となっている。
今年9月の国庫庁のインフレ指数を考慮した歳入総額は前年同期比2.0%増加、歳出総額はCOVID-19対応策向けの膨大な支出で43.5%と大幅増加していた。今年初め9か月間の国庫庁の歳入総額は、前年同期比13.7%減少した一方で、歳出総額はCOVID-19対応策向けの大胆な財政出動で45%増加している。
今年の中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,241億レアルに据え置かれていたが、新型コロナウイルスのパンデミック危機に対する連邦政府の非常事態宣言(calamidade publica)で、今年の財政プライマリー収支の許容目標赤字に収める必要がなくなっている。昨年の中央政府の財政プライマリー収支は950億6,500万レアルの赤字を計上していた。