海外投資家は来年のブラジル国内の石油入札に注目(2020年11月5日付けエスタード紙)

2019年に予定していたSépia鉱区やAtapu鉱区などの有望な石油・天然ガス鉱区入札は、今年もCOVID-19パンデミックの影響で先送りを余儀なきされている。

仮にこれらの岩塩層下プレソルト原油開発向け入札が2021年に実施すされれば、これに匹敵する他国での石油・天然ガス鉱区入札は見当たらないために、海外投資家は挙って入札に参加すると鉱山エネルギー省(MME)管轄の電力エネルギー調査公社(EPE)では予想している。

COVID-19パンデミックの影響で、ブラジル以外の産油国でも石油・天然ガス入札の先送りを余儀なくされているが、ブラジル国内では今年予定されていた第7回及び第8回石油生産ラウンド、第17回及び第18回石油入札が2021年に先送りされている。

EPEが依頼したコンサルタント会社Rystad Energy社の調査によると、今年の世界中の石油・天然ガス入札の探査地域の許可数は前年比60%減少。2021年のブラジル国内の石油鉱区の入札案件は少ないにも関わらず、海外投資家の注目を集めると予想されている。

EPEの調査によると、2021年に計画されている石油・天然ガス鉱区の入札の大半は、シエラレオネ、セネガル、リベリア、ソマリア、フィリピンなどの生産リスクが高い国が多い。ナイジェリアは、海外投資家にとって他のアフリカ諸国よりも魅力的な石油鉱区を擁しているが、国内の政治的内部紛争や地政学的リスクが非常に高い。

今年末から2021年に予定されている石油入札で、ブラジルにとって最大の脅威は、メキシコ湾と米国のアラスカで予定されている3回の入札と見られている。米国が2019年の石油鉱区入札で落札した378鉱区は総額4億3,000万ドルであったが、昨年のブラジル国内のカンポス盆地の1工区の入札は10億ドルで落札されていた。

また来年はノルウエー、マレーシア並びにカナダでも石油・天然ガス鉱区の入札が予定されているが、これらの産油国の入札はブラジル同様に生産、インフラ並びに地質学的知識が整った国となっている。

2020年~2021年の石油・天然ガス向け投資は2019年比で29.0%減少が見込まれているとRystad Energy社は予想。特に石油の国際コモディティ価格減少に伴って、シェールガス地域の開発投資はマイナス52%、オイルサンド (Oil sand)あるいはタールサンド(Tar sands)地域はマイナス44.0%が予想されている。

ラテンアメリカ地域ではCOVID-19パンデミックの影響でブラジル並びにヴェネズエラの石油生産は減少した一方で、メキシコ並びにギアナの石油生産は増加している。

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