【クリーンネットワーク・イニシアティブの支持表明はファーウェイの排除を意味しない】

クリーンネットワーク・イニシアティブの原則に対する支持をブラジル政府が表明したことからアメリカ政府が掲げる技術的提案にブラジルが傾斜した形になったが、少なくとも現時点では、中国のファーウェイ(華為)に対して第5世代移動通信システム(5G)への参加を阻むことを意味しない。アメリカ政府の圧力があるものの、中国が提供する技術を排除するには、大統領令の発布が求められる。

 

2021年に5Gの周波数オークションに関する技術要件の策定を進める国家電気通信庁(Anatel)は、今回の表明を、驚きつつ受け止めた。ブラジル政府がこの問題に関して判断を固めていないことは、11月10日に外務省で開催されたイベントに通信省が出席していなかったことが示唆している。同省は、国内における5G問題の議論に対する責任を負う。ファビオ・ファリア通信大臣は、このイベントに出席していないのだ。この点について見解を求めたが、同省はコメントを避けた。

 

アメリカの大統領選でジョー・バイデン候補が選出されても、アメリカは、5Gでファーウェイを排除するようブラジルに圧力をかけ続けている。ただこれには、この業界を含め多方面から抵抗もある。例えば国内で事業を展開する電話事業会社は、トッド・チャップマン大使からキース・クラーチ経済成長・エネルギー・環境担当次官と面会するために招待されたことを否定している。

 

電話事業会社の反応

 

国内の大手電話事業会社を代表する組合コネクシスのマルコス・フェラーリ委員長は先週、書面で、「業界は協議の議題が極めて重要だと認識しているが、その前に、業界は議論のために出された提案がブラジル政府とともに業界が話し合いを進めているもので、しかもそれは公開討論の形で進められていることを明示しておきたい」とコメントした。

 

コネクシスに加盟する様々な企業が上場企業であり、これらの企業は株主に対して、そして企業として、透明性の確保をコミットメントしていると、フェラーリ委員長は話す。「その上で、国内で新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生している状況下では、依然として注意が求められており、これらの企業の代表者らは対面で協議するのを避けている」と付け加えた。

 

5Gの周波数オークションは2021年に予定されている。5Gに対して解放される周波数がオークションの対象となる。この周波数オークションへの応札は、電話事業会社と小規模のプロバイダに限り認められる。国内で営業する中国資本の電話事業会社は存在しておらず、つまりファーウェイも電話事業会社ではなく設備のサプライヤーなのだ。同社は20年以上前にブラジルに進出しており、同社の機器は、ブラジル国内の3G及び4Gの通信網の35%から40%で使用されていると推定されている。

 

クリーンネットワーク・イニシアティブにブラジルが参加することへのコメントを求めたが、コネクシスは声明を避けた。またファーウェイは、11日付で掲載されたこの記事の締め切りまでに何のコメントも寄せなかった。(2020年11月11日付けエスタード紙)

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