紙パルプ業界の新規投資は180億ドル(2020年11月23日付けヴァロール紙)

今後数年間に南米地域でのパルプ業界は、8件の建設中や新規の大型プロジェクトを擁しているが、隣国パラグアイもパルプ業界に進出する。現在の為替で総額180億ドルに達する8件のプロジェクトのうち、ブラジル国内のプロジェクトの新規投資は、100億ドル以上でブラジルの寡占化が更に進むと予想されている。

2022年末から継続するパルプ業界の目白押しの新規投資で、投資家やサプライヤーは、パルプの供給過剰と価格への長期圧力を避けるために、業界内での再編成が進むと予想されている。
 
2021年からのパルプ生産の新規投資でユーカリを原材料とする短繊維パルプ及び水溶性パルプの増産は、現在の世界最大のスザノ製紙の短繊維パルプ生産の1.3倍に相当する1,480万トンが見込まれている。

既に発表されている短繊維及び水溶性パルプのプロジェクトとして、Arauco社は2021年第4四半期から年間127万トンの生産を予定、Bracell社も2021年第4四半期から最大年間生産能力が280万トンのプロジェクトを抱えている。

LD Celulose社は2022年第1四半期からサンパウロ州内で年間50万トンのプロジェクトを開始予定。UMP社は2022年第4四半期から年間生産能力が210万トンのプロジェクトを抱えている。
Paracel社は2022年第4四半期から年間生産能力が150万トンのプロジェクト。

Suzano製紙は2023年初めから年間生産能力が220万トン。Euca Energy社は2023年第4四半期から年間生産能力が210万トン。Eldorado社は生産開始は未定であるが、年間生産能力が230万トンの短繊維パルプ生産プロジェクトを抱えている。

パラグアイでは、初めてとなるパルプ業界に進出するパラセル社は、2022年後半または2023年初めにコンセプシオン市で生産工場の操業開始を予定。燃料の流通を行うパラグアイのグループZapagとスウェーデンのジリンダス・インベストメンツのパートナーとして、木材の供給を確実にするためにマット・グロッソ州クイアバ市と南マット・グロッソ州のカンポ・グランデ市に拠点を設立している。

実業家Gilberto Goellner氏のEuca Energy社は、2023年末からマット・グロッソ州のAlto Araguaia市で生産開始を予定しているが、原材料のユーカリ材の供給問題を抱えている。

オーストリア資本Lenzing社とDuratex社のジョイントベンチャー企業のLD Celulose社は、2022年第1四半期からミナス州で年間50万トンの水溶性パルプを生産。また2022年末からフィンランド資本UPM社は、総額27億ドルを投資してウルグアイの新工場で生産開始を予定している。

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