ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、2020年の住宅販売は前年比10.0%~15.0%増加予想で、統計を取り始め5年前からでは記録更新すると見込まれている。
今年初め9か月間の住宅販売は、前年同期比8.4%増加の12万8,849軒を記録、今年第3四半期の住宅販売は、前年同四半期比23.7%増加の5万4,307軒と大幅に増加している。
しかし今年の新規住宅リリース軒数は前年比15.0%減少の可能性があり、2018年の水準に留まるとブラジル建設工業会議所(Cbic)は予想している。
今年初め9か月間の新規住宅リリース軒数は、前年同期比27.9%減少の8万5,755軒に留まっている。また今年第3四半期の新規住宅リリース軒数は、前年同四半期比10.5%減少の4万2,885軒に留まったが、過去1年間の四半期平均の新規住宅リリース軒数の3万8,101軒は上回っている。
今年第3四半期の新規住宅リリース軒数は、前年同四半期比10.5%減少しているが、サンパウロ証券取引所B3に上場している20不動産・建設会社の新規住宅リリース軒数は、前年同四半期比31.4%増加の84億3,000万レアルを記録している。
第3四半期の新規住宅リリース軒数は、COVID-19パンデミックの影響を受けた前四半期比では114%増加したにも拘らず、今年上半期の落込みを補うには至っていないとCBICのJosé Carlos Martins会長は、COVID-19パンデミックのダメージを指摘している。
CBICの不動産産業委員会(IIC)のセルソ・ペトルッチ副会長によると、不動産業界では、連邦政府による税制改革承認や財政問題の改善などが期待通りに進めば今年の楽観主義は来年も継続すると見込んでいる。
第3四半期から発生している建築材料の供給遅れが建設スケジュールを狂わす可能性を指摘。棒鋼などの鉄鋼製品は来年初めまでに正常化すると見込んでいるが、PVCセグメントは、ドル価格が来年1月から安定化を見込んでいるにも関わらず、PVC供給が正規化するのに4ヶ月かかるとCBICのJosé Carlos Martins会長は憂慮している。
サンパウロ州住宅建設業者組合(Sinduscon-SP)の調査によると、今年10月の調査では26%の企業が建設資材のコスト上昇を指摘、特にセメント、コンクリート、銅線、アルミ製品やガラス製品の値上がりをSinduscon-SPのEduardo Zaidan副会長は指摘している。
Sinduscon-SPの調査によると、今年初め9か月間の建材販売は前年同期比7.8%増加した一方で、建材生産はCOVID-19パンデミックの影響で4月並びに5月の需要減少に伴って、建材メーカーは供給減少のための生産調整で4.7%減少している。
また調査対象の不動産会社の43%は一部の都市を除いて全体の住宅需要は弱含みで推移しており、サンパウロ市やサン・ジョゼ・ド・リオプレート市などの需要が牽引しているとSinduscon-SPのEduardo Zaidan副会長は指摘している。