ブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)の衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査によると、2019年8月1日~2020年7月31日迄の1年間の法定アマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採面積は、前年同期比9.5%増加に相当する1万1,088平方キロメートルに達している。
ミッシェル・テーメル政権5か月間並びにジャイール・ボルソナロ政権の7か月間の2018年8月1日~2019年7月31日迄の1年間の法定アマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採面積は1万129平方キロメートルに留まり、前年同期比34.0%増加予想を大幅に下回った。過去最も熱帯雨林の違法伐採が拡大したのは、2008年の1万2,911平方キロメートルであった。
ブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)での衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(DETER)の活用開始で、熱帯雨林の違法伐採状況がさらに明確になってきている。
2019年8月1日~2020年7月31日迄の1年間の法定アマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採面積1万1,088平方キロメートルの内訳は、パラー州内での違法伐採面積は全体の46.8%に相当する5,192平方キロメートルで群を抜いている。
パラー州に次いでマット・グロッソ州は、全体の15.9%に相当する1,767平方キロメートル、アマゾナス州は13.7%相当の1,521平方キロメートル、ロンドニア州は、11.4%に相当する1,259平方キロメートルとなっている。
新型コロナウイルスのパンデミックで充分な予算や人的資源不足で、アマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採の取締まりに障害になっているが、ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)によれば、ボルソナロ政権下、森林破壊を食い止めるレンジャーのための予算は半減され、森林保護に充てられる伐採者の罰金も大幅に減少している。
Amazônia legal(法定アマゾニア)と呼ばれるアマゾン河流域のアクレ州並びにアマパ州、アマゾナス州、マット・グロッソ州、ローライマ州、パラー州、ロンドニア州、トカンチンス州、マラニョン州の一部で構成され、ブラジル国土の61%に相当する521万平方キロメートルを擁している。