全国工業連盟(CNI)の鉱工業部門インディケーターレポートによると、2020年10月の鉱工業部門の生産活動は、上昇サイクルを継続しているものの、緩やかなカーブで下降線を描いているが、製造業部門は、3月から始まったCOVID-19パンデミックの影響による減少から反転している。
今年10月の全国工業連盟(CNI)の鉱工業部門インジケーターレポートでは、売上、設備稼働率、労働時間並びに雇用指数は前月比で全て増加に転じていた。
今年10月の鉱工業部門の製造現場の平均労働時間は、パンデミック前の2月の水準を1.2%上回っている。また前月比では1.7%増加しているにも関わらず、今年初め10か月間の生産現場での総労働時間は、各地方自治体によるCOVID-19パンデミック対応のための生産自粛要請の影響で、前年同期比6.1%下回っている。
また10月の鉱工業部門のインフレ指数を差引いた実質売上並びに設備稼働率(UCI) は、COVID-19パンデミック前の今年2月の水準を上回っている。
今年初め10か月間の設備稼働率(UCI) は、前年同期比では依然としてマイナスを記録しているが、今年末の実質売上は前年同期を上回ると予想されている。
今年10月の製造業部門売上は、前月比2.2%増加で6ヶ月連続で増加を記録、今年4月からの累計売上は、前年同期比49.0%と大幅増加、10月の売上は2月の水準を8.5%上回っているが、今年初め10月間では前年同期比1.0%減少している。
10月の雇用は継続して上昇傾向を続けており、前月比では0.3%微増、2月比では1.2%減少、今年初め10か月間の製造業部門雇用は前年同期比2.4%減少している。
10月のインフレ指数を差引いた実質賃金は、9月の水準を維持しているが、COVID-19パンデミック前の2月との比較では、労働時間短縮の影響で3.4%減少、今年初め10か月間の賃金収入は、前年同期比5.8%と大幅に減少している。
今年10月の製造業部門の設備稼働率は、前月比0.9%増加の80.3%、前年同月比2.5%増加、今年初め10か月間の平均設備稼働率は、前年同期比2.0%減少している。