今後数か月間にIT及びe-commerce企業が相次いでIPO予定(2020年12月8日付けエスタード紙)

今年サンパウロ証券取引所B3で新規株式公開(IPO)した企業はあまり芳しい結果に達していないが、10月にIPOしたSequoia Logística社の株価は55%上昇、小売販売網Petz社は25.7%増加、建材販売網Lojas Quero Quero社は23.8%増加、Track & Field社は22%増加を記録している。

新規株式公開後に株価が上昇した分野として、ITテクノロジー企業及びオンライン販売の小売業が目立っており、主要顧客がオンライン販売の輸送サービス業のSequoia社が顕著な例となっている。

COVID-19パンデミック前にサンパウロ証券取引所で新規株式公開で資金調達に成功していたレンタルサーバ-を事業の柱とするLocaweb社は、e-commerce向けのフラットフォームを提供しており、同社の株価は2月のIPO以降で218.9%高騰している。

今年初めから現在まで25企業が新規株式公開を行ったが、僅か11社しかポディティブな結果を残していない。特に今年IPOした建設不動産関連企業Moura Dubeux 社の株価はマイナス41.4%、Mitre Realty社はマイナス23.9%、Lavvi社の株価はマイナス10%を記録しているが、特例として9月に新規株式公開をしたCury社の株価は15%上昇している。

今後数か月間以内のCOVID-19パンデミック対応のワクチン接種は、新規株式公開の好環境に繋がる。ブラジル国内ではGDPに対する対内債務残高は上昇を続けており、政治的雑音が常に発生しているが、税制改革などの構造改革は徐々に進んでいる。投資家にとって重要なことは、明確で法的安定的な規制とWainberg氏は指摘している。

税制改革以外にも天然ガス規制の枠組み承認、第5世代移動通信システム(5G)入札実施、スタートアップ規制、建設不動産業界の回復以外にも上下水道の民営化コンセッション入札など新規株式公開の好条件をSuno社アナリストのRodrigo Wainberg氏は指摘している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47894