Tenda社は大衆住宅建設最大手の建造物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で製作し、建築現場で建物として組み立てる建築工法であるプレハブ工場を2020年上半期からサンパウロ州地方部で建設開始を予定している。
Tenda社では3年前からプレハブ住宅の建築モデルを研究開発しており、2026年から年間1万軒に達する大衆住宅向けプレハブ生産を同社のRodrigo Osmo社長は説明している。Tenda社は建設現場から離れたoff-site工場建設に3億レアル~4億レアルを投資して、大衆住宅向けの建設コスト軽減で、更なるマーケットシェア拡大を積極的に進める。
off-siteの試験的プロジェクトは、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市の木造建築主体の住宅コンドミニアムから開始されたが、プレハブ工場からの製品出荷はサンパウロ州内の中小都市の大衆住宅から開始予定となっている。
Tenda社は、プレハブ工場で使用される機械・装置類はスエーデン資本Randek社から15個のコンテナで輸入、製造ラインは215メートルに達して、ラテンアメリカ地域では随一のハイテク工場となる。
Tenda社は、今後5年以内のメトロポリタン地域のマーケットシェアを20%まで拡大する計画を立てているが、現在のマーケットシェアは約10%前後に留まっていると同社のRenan Sanchesディレクターは説明している。
Tenda社は、2013年からサンパウロ市内向けに面積が40平方メートルの2寝室のアパートをリリースして戦略の方向転換したが、最近はコンペチターに追従する形でさらに狭いアパートリリースを行っている。
Tenda社のサンパウロ市内のアパートの平均販売価格は16万1,000レアルと他州のメトロポリタン地域のアパートの平均販売価格を上回っている。しかし経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設"私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida"向けに建設コストを抑えるのは、従来の工法では不可能となってきている。
Tenda社では2021年の大衆住宅向けの粗利は30%~32%を見込んでいるが、純マージンは「今後数年間で比較的安定している」とRenan Sanchesディレクターは説明している。プレハブ工場の建設投資総額は同社の今後4年間の売上の3.0%に相当する投資となる。