2020年の一般家庭の負債率は記録更新も延滞率減少(2021年1月26日付けヴァロール紙)

2020年の一般家庭の負債比率は、COVID-19パンデミックの影響による失業率の上昇や実質賃金の減少の影響で過去最高を記録した一方で、不渡り率は負債支払いの再交渉、負債返済先送りなどの要因で減少している。

2021年初めの一般家庭のクレジットの負債状況は、2015年~2016年の経済リセッション時よりも良好であるが、金利の上昇圧力、高止まりする失業率、連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了などの要因で、一般家庭のクレジットの延滞率上昇をエコノミストは予想している。

中銀の発表によると、2020年10月の一般家庭の負債を抱えている比率は全体の50.26%に達し、2005年以降では最高の負債比率に上昇、前年同期の44.79%よりも5.47%上昇、上昇分の内訳では負債全般が3.17%増加、住宅ローン負債が2.3%増加している。

2020年5月の個人向けクレジットの延滞率は5.6%であったが、昨年10月には4.5%に減少、11月は4.3%と更に減少、昨年11月の過去12か月間では0.7%減少。2015年~2016年の経済リセッション時の一般家庭のクレジット負債は減少した一方で、クレジット延滞率は上昇していた。

昨年第2四半期から一般消費者は、負債返済再交渉を開始でデフォルトは緩和されたが、各銀行の貸倒引当金が増加、負債の延滞率は、過去の経済リセッション時のピーク7.0%には届かないにも関わらず、5.5%に達する可能性を信用保護サービスセンター(BOA VISTA SCPC)エコノミストのFlavio Calife氏は指摘している。

また連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアル、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給で、昨年12月をもって終了した緊急給付金(auxílio emergencial)支給を受けていた一般家庭の、昨年4月の15日以上遅延しているクレジットの延滞率は25.8%であったが、緊急給付金を受給していない消費者の延滞率は、17.7%と約8.0%の開きがあったが、昨年10月には18.3%及び15.6%と2.7%に接近していた。

中銀は一般家庭の債務残高は、12ヶ月に蓄積された可処分所得(給与、退職、福利厚生など)の拡大と参照月の家計債務残高を考慮して算定している。

一般家庭の債務残高が昨年1月~10月まで9%増加した一方で、家庭の可処分所得は、緊急給付金受給を含めて5%~6%の間で増加したが、連邦政府の援助プログラムがなければ、可処分所得は約5%減少していた可能性がある。 

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の調査によると、昨年8月の一般消費者のクレジット延滞率は67.5%に達したが、年末には66.3%減少したものの2019年同時期の65.6%を若干上回っている。

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