中銀の発表によると、2020年12月のブラジルの経常収支は53億9,300万ドルの赤字を計上したにも関わらず、中銀関係者は、昨年12月の経常収支は、2019年12月の46億5,200万ドルの大幅赤字から一転して5億ドルの黒字計上を予想していた。
2020年のブラジルの経常収支は、125億1,700万ドル赤字を計上したが、2019年の経常収支赤字506億9,700万ドルの4分の1の赤字に縮小している。中銀関係者は、2021年1月の経常収支赤字を80億ドルを見込んでいる。
2020年のブラジルの経常収支赤字は、GDP比0.87%と2019年のGDP比2.7%の赤字から大幅に縮小、中銀関係者は、昨年のブラジルの経常収支赤字を70億ドルを見込んでいた。
昨年12月の海外投資家による対内直接投資は、7億3,900万ドルに留まったが、中銀関係者は26億ドルの対内直接投資残高を見込んでいた。2019年12月の対内直接投資残高は、28億2,500万ドルを記録していた。
2020年の対内直接投資残高は、2019年の691億7,400万ドルの半分以下の341億6,700万ドルに留まり、2009年以降では最低の対内直接投資残高を記録、昨年の対内直接投資残高は、GDP比2.38%と2019年のGDP比3.68%から大幅に減少している。
2020年3月からCOVID-19パンデミックによるブラジル経済の不透明感の影響で、昨年4月から対内直接投資残高は、過去数年間の平均を下回る傾向となっていた。
昨年12月の海外投資家の金融ポートフォーリオへの投資は、93億5,400万ドルに達し、2019年12月の41億4,400万ドルの2倍以上の金融投資を記録している。昨年の海外投資家による金融投資では、引揚げ残高が投資残高を26億100万ドル上回るマイナスを記録したが、2019年のマイナス102億2,100万ドルを大幅に下回った。
昨年12月のブラジル国債などの確定金利付き市場の投資総額は56億6,700万ドル、引揚げ総額は26億2,800万ドル、投資残高は33億2,600万ドルの黒字を計上している。
また昨年12月の海外投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)及びニューヨークを通した株式投資残高は、36億8,300万ドルを記録した一方で、昨年1年間では株式市場から46億1,800万ドルの引揚げが記録されている。
昨年12月の外資系企業による本国への利益・配当送金総額は5億3,000万ドルに留まり、2019年12月の29億1,000万ドルの5分の1以下に減少している。2020年1年間の外資系企業による本国への利益・配当送金総額は、171億8,000万ドルと2019年の319億1,900万ドルの半分近くまで減少している。
民間企業並びに国営企業による中長期の新規社債発行総額は、昨年12月に償還期間を迎えた債券の170%に相当、2019年12月の償還期間を迎えた債券は28%であった。
中銀の年次データでは、2020年のロールオーバーは91%と予想の85%を上回ったが、2019年は80%だった。また昨年の直接ローンは98%で2019年は91%、昨年の有価証券は71%で2019年は51%であった。