協同組合金融機関(クレジットユニオン)は、商業銀行に反して実店舗拡大路線(2021年2月16日付けエスタード紙)

大手商業銀行はフィンテックの導入加速並びにインターネットバンキング拡大に伴って、コスト削減のために維持費の高い商業銀行の実店舗閉鎖を余儀なくされている。

一方250 万人を超える顧客を擁して、ブラジル最大のクレジット・ユニオンのCredit Unions System for Brazil (Sicoob) は、中銀の支持を得て、商業銀行と逆走する実店舗の支店網拡大を図っている。

過去1年間で大手の公立銀行並びに民間銀行は1000支店の閉鎖を余儀なくされ、今年も支店物閉鎖を余儀なくされている一方で、協同組合金融機関(クレジットユニオン)のSicoobは、今年は2億レアルを投資して、250カ所の支店開設で拡大路線に拍車をかける戦略を採っている。

昨年の協同組合金融機関のSicoob社は、前年比6.0%増加に相当する197支店の実店舗を開設して支店総数は3480店舗に拡大してブラジル銀行の4400支店に肉薄してきている。

中銀は国家ファイナンスシステムに沿って2022年までにクレジットユニオンのマーケットシェアを現在の10%から20%に引き上げを容認しており、クレジットユニオンのクレジット総額を全体の5.0%まで引き上げる。

現在のブラジル国内には5,000以上の金融ユニオンが存在、そのうちクレジットユニオンは827ユニオン、総資産は3,100億レアル、クレジット総額は1560億レアルに達しているとブラジルユニオン組織システム(OCB).は発表している。

2020年12月のブラジル銀行の支店数は4,400支店、Sicoobは3,500支店、ブラデスコ銀行3,400支店、連邦貯蓄金庫3,400支店、イタウー銀行2,800支店、サンタンデール銀行は2,700支店となっている。

大都市部の周辺を含めて、現金や小切手を含む取引が依然として重要である僻地での金融サービスとしては、協同組合機関のクレジットユニオンの開設は不可欠となっている。

「中央銀行が率いる即時支払いと電子手段のpix時代にも拘らず、農村部の住民にとって支払い手段なども含めて金融サービスのオンライン決済は困難であるが、実店舗での金融アクセスは容易」とSicoobのマルコ・アウレリオ・アルマダ社長は支店開設は不可欠と説明している。 

Sicoobの昨年11月~今年1月までの3か月間の小切手取扱量は800万枚以上に達しており、現金や小切手取引は不可欠であり、今年末のSicoobの支店総数は、前年比14.0%増加の2,144市町村に拡大する計画となっている。

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