2021年初めの製造業部門の生産向け原材料・部品不足は、昨年第3四半期から継続しており、生産計画に支障をきたしているとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査で判明している。
今年初めの製造業部門で原材料・部品不足で計画通りの生産ができていないのは、自動車部門、金属部門並びにプラスティック部門が顕著となっている。
今年初めの製造業部門の部品供給問題に加えて、連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了したが、不透明な給付金支給の再開などの要因で、製造業部門の企業経営者の今後数か月間の先行き景況感は悪化している。
ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)調査員のClaudia Perdigão氏及びViviane Seda Bittencourt氏は、調査対象の企業経営者の48.1%は増産は難しいと回答、そのうち20%は部品不足問題を指摘。 15.9%は部品サプライヤー問題、重税2.5%、運転資金不足2.4%、金利高は0.2%、その他の要因は6.1%となっている。
今年1月の製造業部門で、最も部品供給問題を抱えているのは自動車部門で49.6%、設備稼働率は過去平均のマイナス5.8%に留まっている。前期同様に金属部門45.6%、設備稼働率は過去平均よりもマイナス1.6%を記録している。
続いてプラスティック部門29.1%、設備稼働率は過去平均よりも3.6%増加、化学部門25.5%、3.6%増加、機械・電気材料部門25.4%、7.6%増加、食品部門23.4%、3.0%増加、紙パルプ部門15.3%、3.5%増加、その他は21.5%、0.4%増加となっている。
昨年11月の調査では、調査対象の18部門のうち14部門で部品不足を指摘していたが、今年1月は8部門で依然として部品供給不足がネックになっていると指摘している。
全国自動車工業会(Anfavea)は、今年1月の部品供給は昨年11月よりも改善されたが、世界的な半導体不足で、自動車メーカーは軒並み減産を余儀なくされている。
ブラジル鉄鋼協会(IABr)は、昨年の設備稼働率はCOVID-19パンデミック危機の影響で、国内需要が壊滅的な影響を受けて高炉の操業低などを余儀なくされ僅か45.0%に留まっていたが、今年1月は67.3%に回復している。
今年1月の段ボール箱関連生産は前年同月比4.9%増加で、7ヶ月連続で月間記録を更新しており、生産が正常化するのは、今年下半期になるととブラジル包装紙協会(Empapel)は予想している。