社会経済開発銀行(BNDES)は、資源大手のヴァーレ社の100億レアル以上の持ち株を売却したにも関わらず、依然としてヴァーレ社の民営化に伴う60億レアル以上の株式を所有しているが、持ち株放出が近づいていると予想されている。
社会経済開発銀行(BNDES)は、鉄鉱石の国際コモディティ価格が高値で推移しているタイミングで、ヴァーレ社の持ち株を売却に成功、現在の鉄鉱石価格は1年前の2倍に上昇している。
ヴァーレ社の時価総額は、鉄鉱石の国際コモディティ価格上昇に伴って5000億レアル以上に達しており、サンパウロ証券取引所(B3)の上場企業の中では最高の時価総額を記録している。
連邦政府は、ブラジル銀行従業員年金基金(PREVI)、ペトロブラス石油公社従業員年金ファンド(Petros)並びに連邦貯蓄金庫年金基金(Funcef)を通して間接的にヴァーレ社の持ち株を擁している。ブラジル銀行従業員年金基金(PREVI)は、ヴァーレ社の10%以上の株式を保有している。
また社会経済開発銀行(BNDES)は、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)の持ち株放出以外にも食肉メーカーJBS社、パラナ電力公社(Copel)並びにクラビン製紙の持ち株放出が予想されている。
先週社会経済開発銀行(BNDES)は、6億レアルに相当するクラビン製紙持ち株を放出した結果、ヴァーレ社の持ち株放出と合わせて、過去1年間で600億レアルの持ち株放出を記録している。
2018年から開始されている社会経済開発銀行(BNDES)のブラジル大企業の持株放出計画を進めており、2019年のBNDES銀行は、ペトロブラス石油公社並びに資源大手のヴァーレ社の持ち株売却で159億レアルの資金調達、今後の同行の持株はインフラ整備部門の上下水道事業などにターゲットを充てる。
BNDES銀行は、ブラジルにおいて長期事業資金の供与を担う唯一の政府系金融機関であり、ブラジル経済の持続可能な発展の支援をそのミッションに掲げ、風力発電をはじめとした再生可能エネルギー事業を積極的に支援する。
BNDES銀行は、過去1年間でペトロブラスの優先株220億レアルを売却した一方で、依然として議決権のない普通株を擁しているが、ボルソナロ大統領は、先週末にペトロブラス石油公社のロベルト・カステロ・ブランコ最高経営責任者(CEO)の後任に、国防相を務めたシルヴァ・エ・ルナ氏を任命した影響で、昨日22日の同社の株価が20%以上暴落して影響を受けている。