世界的な自動車向け半導体の供給不足並びに大手自動車メーカーのフォード社のブラジル撤退で、 2020年2月のバスやトラックを含む新車生産は、2月としては2016年の14万4,300台以来で最低の生産台数に留まっている。
今年2月の新車生産は、主に半導体供給問題発生で前年同月比マイナス3.5%に相当する19万7,000台に留まり、過去7か月間で最低の生産台数に留まったと全国自動車工業会(Anfavea)の発表で判明している。
今年2月の新車生産は、前月比マイナス1.3%を記録したにも拘らず、今年初め2か月間の新車生産は、前年同期比僅か0.2%増加の39万6,700台となっている。今年2月は多くの自動車メーカーは、カーニバル休暇及び自動車部品の供給不足などの影響で、5日~12日間の集団休暇制度の導入を余儀なくされた。
パラナ州サン・ジョゼ ・ドス・ ピニャイス市に自動車生産工場を擁するルノー社は、アジアからの自動車部品を搭載した自動車専用船舶のパラナグア港への到着遅延の影響で、3日間の新車生産の遅延が発生していた。
GM社では今月8日から2か月間に亘って、部品不足のために生産中止を余儀なくされており、サンパウロ州ヴァーレ・ド・パライーバ工場の従業員600人を対象にレイオフを実施する。また南大河州のグラヴァタイ工場でも同様のレイオフ実施の可能性が濃厚となっている。
自動車製造工場の正常な操業を妨げるCOVID-19パンデミックフレームワーク並びに、世界的な半導体の供給不足以外にも鉄鋼製品、プラスチック、ゴムを含む部品も供給に問題が発生している。
部品供給問題以外にも物流ロディスティックの混乱、コンテナ不足や航海ルート変更による船舶の遅延を考慮しても、2月の生産19万7,000台は評価できると全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・カルロス・モラエス会長は説明している。
また部品供給危機並びに物流ロディスティック混乱に加えて、COVID-19パンデミックは、国際コモディティ商品価格の急上昇による生産コスト圧迫で新車を購入する消費者に対して価格転嫁を余儀なくされるとモラエス会長は指摘。最近1年間で鉄鋼価格は61%、プラスティック向け原料の樹脂価格は68%それぞれ大幅上昇していると指摘している。
今年2月末の自動車メーカーやディーラーの新車在庫は営業日数換算で僅か18日分に留まっており、1月末の水準を維持しているが、自動車業界の適正在庫の30日を大幅に下回っている。
半導体などの部品不足による自動車ディーラーの特定モデルの新車不足で、今年2月の新車販売は、前年同月比マイナス16.7%の16万7,400台に留まり、2月の新車販売としては2018年以降で最低を記録しているが、年頭の全国自動車工業会(Anfavea)の今年の新車販売は前年比15.0%の大幅増加を予想していた。
また今年2月の新車輸出は、前年同月比マイナス12.2%の3万3,100台、しかし自動車輸出相手国トップのアルゼンチン向け輸出は、32.0%と大幅増加を記録していた。今年初め2か月間の新車輸出は、前年同期比マイナス0.2%の5万8,100台であった。
今年2月の自動車業界は、トラック生産向けの短期雇用が1,300人増加、2月の自動車業界の雇用総数は前月比1.2%増加の10万4,700人となっている。