ペトロブラス石油公社は、今月9日からペトロブラスの製油所から出荷される石油派生品の卸売価格を値上げすると発表。ロベルト・カステロ・ブランコ現CEOは、燃料価格引き上げを巡りボルソナロ大統領との対立が表面化しており、事実上の更迭となるが、連邦政府は、先月19日にペトロブラスの最高経営責任者(CEO)にシルバ・エルナ元国防相を任命すると発表していた経緯があった。
明日日からペトロブラスは、製油所のガソリン卸売価格を9.2%値上げ、ディーゼル燃料を5.5%値上げると発表、今回の値上げで今年のガソリン卸売価格は54.0%、ディーゼル燃料書かぬは42.0%とそれぞれ大幅な値上げを記録している。
今年4回目の度重なるペトロブラスによる燃料価格値上げに対して、ジャイール・ボルソナロ大統領は、先月19日にペトロブラス総裁の更迭を発表したが、ロベルト・カステロ・ブランコ現CEOは、その後2回の値上げを発表している。
今年6回目の石油派生品の値上げとなる今月9日からの1リットル当たりのガソリン価格は2.84レアル、ディーゼル燃料価格は2.86レアルにそれぞれ値上げされる。
ペトロブラス石油公社による石油派生品の値上げは、石油の国際コモディティ価格の上昇、石油輸出国機構(OPEC)の減産発表、レアル通貨に対するドル高の高騰などが牽引している。
ロンドン手取引されている北海ブレント原油価格は今年初めからすでに33%値上がりしており、1バレル当たりの価格は68ドルに達しているが、COVID-19パンデミックの影響で、昨年の北海ブレント原油価格は現在の半分以下の30ドル以下まで下落していた。
ペトロブラスは、2016年にブラジル国内市場向け石油派生品価格政策を導入、国内市場の販売価格は、石油の国際市場価格に連動する政策を導入しているが、今年の石油の国際コモディティ価格の上昇並びにレアル通貨は大幅なドル高になっているために、大幅な石油派生品価格の値上げが避けられない状況となっている。
ペトロブラスはコア事業のプレソルト石油開発に資金を集中させるために、ポートフォーリオ事業の自社資産売却を積極に進めており、8カ所の石油精製所を売却して、南東部地域の石油製油所だけ存続させる。