COVID-19パンデミック並びにテクノロジー企業の急速な成長によるデジタル化プロセスは、サンパウロ証券取引所(B3)におけるスタートアップ企業の数珠つなぎの新規株式公開(IPO)に繋がっている。
今年初めに検索サイトのBuscapé社及びビデオ会議システム「Zoom」を擁するMosaico社は、新規株式公開IPOの初日で2倍の株価を記録して、投資家のスタートアップ企業のIPOを促している。
現在投資家の新規株式公開予定で注目を集めているのは、フードデリバリーのiFood社を傘下に収めるMovile社、ブラジル国内外で資金調達ラウンドを予定しているNubank社が挙げられている。
またモード e-commerceのPrivalia社並びにロイヤルティプログラムのDotz社なども新規株式公開で、資金調達で事業拡大を計画している。
ウェブサイト作成のライブテック社、ラテンアメリカ最大のサービスアプリであるGetninja社なども早期のIPOでは数珠つなぎの状況を施している。
病院や診療所と医療関連サプライヤーと結びつけるソフトウェアを初めて開発したBionexo社、すでに外資系ファンドから大型投資提案を受けているウェブサイトサービス会社Infracommerce社の新規株式公開も注目の的になっている。
アプリケーションとゲームのサブスクリプションのBemobi社、オンラインデコレーションのWestwing社、キャッシュバックのMeliuz社、サプライチェーン管理のためのソフトウェアセグメントのNeogrid社、オンライン家具販売のMobly社、デジタルプロファイルを持つ広告企業「アドテック」のEletromidia社は今年初めにIPOを実施している。
また昨年は中古品などのオークションのEnjoei社が新規株式公開、ウェブサイト運営などを手掛けるLocaweb社はIPO後に潤沢な資金で次々と6社を買収、時価総額は600%に達している。
政策誘導金利(Selic)が過去最低の2.00%に留まっているために、多くの投資家は、確定金利付き投資からハイリスクハイリターンの株式投資金に流れている。
特に今後はデジタル技術による業務やビジネスの変革を促すデジタルトランスフォーメーションの加速で、テクノロジー関連企業が注目されていると投資銀行のItaú BBA社のCristiano Guimarãesチーフは説明している。
テクノロジー関連企業のIPO以外にも医療保健分野のヘルスケアテック並びに農業分野のアグロテックなど60社のスタートアップ企業がIPOで数珠つなぎとなっている。
農業ビジネスのデジタルソルーション関連のスタートアップ企業Agrotools社、COVID-19パンデミックで飛躍的に業績が伸びた移動型人工呼吸器や携帯用試験器などを製作するMagnamed社が新規株式公開を予定している。