(ZOOM)一般社団法人ラテンアメリカ協会(JALAC)の公開オンラインセミナー開催

一般社団法人ラテンアメリカ協会(JALAC)の公開オンラインセミナーは、2021年3月23日午前9時から10時30分まで約300人が参加、テーマ「 ~ 変貌する国際政治環境における日米ブラジル3国間協力の展望~」で開催した。

モデレータは、マイケル・シフタ ー インターアメリカン・ダイアログ会長が務め、初めにアンドレ・コレア・デ・ラゴ駐インド・ブラジル大使、元駐日ブラジル大使が開催挨拶、基調講演では、外務省中南米局の林 禎二局長は、「日米ブラジル協議」(略称JUSBE)の直面する危機打開の取組、3本柱の協議テーマである地域課題に係る政策連携の強化、経済的繁栄の追求、民主的ガバナンスの強化に対する関係強化を説明。ブラジルのOECD加盟、5Gに対するオープンで安全なモデル構築、マルチサプライヤー構想、アマゾンの熱帯雨林保全、持続可能な農業支援などを説明した。

ブラジル外務省アジア大洋州ロシア担当のマルシア・ドネル・アブレウ副次官(大使)は、ブラジルと米国の外交関係は200年、日本とは1895年の日伯修好通商航海条約締結で約125年。米国のバイデン政権誕生に対するJUSBEの継続、3本柱の協議テーマ以外にもワクチン普及の協力体制、ブラジルのサプライチェーン体制支援、アマゾンの熱帯雨林伐採や気候変動、サスナビリティエネルギー生産協力、5G向けインフラ投資の協力体制などを説明した。

米国国務省米州担当のジュリー・J・チャン首席国務次官補代理は、JUSBEの推進や協力強化による価値観の共有、ポストコロナのインフラ、安全な5Gに対するサプライチェーン、クリーンエネルギー、多国間の外交協力などについて説明した。

元WTO事務局長上級アドバイザー並びに元ブラジル通商長官のタチアナ・プラゼレス ー 対外経済貿易大学(北京)シニアフェローは、JUSBEは3分柱の協力推進プラットフォームとなり得るが、ある特定の国を孤立させるようなプラットフォームになってはいけない。COVID-19パンデミックで中断しているブラジルのOECD加盟プロセス、世界貿易機関(WTO)での電子商取引に関する交渉などについて説明した。

米州開発銀行(IDB)アジア事務所の中村 圭介所長は、JUSBEの3国間協力の枠組み、食料の安全保障、気候変動、アマゾン地域の持続的発展・保全、オープンで安全なデジタル社会の構築、国際協力機関の果たす役割などについて説明した。

最後の質疑応答では、ブラジルの小規模農家の天然ゴム栽培に関する開発協力。日米ブラジル協議(JUSBE)による中国を含むベストソリューション。JUSBEの民間企業セクター参加協力。イメージングテクノロジー協力。JUSBEと政府機関や国際開発機関の協力体制構築。JUSBEによる第三国への人道的支援などが挙げられた。

最後に佐藤 悟 ラテンアメリカ協会副会長、元駐ブラジル・スペイン日本大使は、JUSBEを構成する3か国の各関係機関の協力による素晴らしいセミナー開催に感謝を表明、今後の国際協力関係の先鞭をつけることを期待したいと述べた。

 

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