今年5月から製造業部門向け天然ガス価格は31%値上げ(2021年4月6日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社は、2021年5月1日からガスディストリビューター向けの天然ガス価格を39.0%の大幅な値上げすると発表している。

ブラジル大口電力消費者協会(Abrace)では、製造業部門向けの天然ガスの平均価格は31.0%上昇、連邦政府が2019年に発表した天然ガス市場の開放並びに天然ガス価格の大幅引き下げを謳っていた天然ガスの新市場向けプログラム(programa Novo Mercado de Gás)以降では最大の値上げ幅を記録すると予想されている。

パウロ・ゲーデス経済相は、天然ガスの新市場向けプログラムで新規参入による競争でブラジル国内の天然ガス価格は、30%~40%の値下がりを強調していたが、石油の国際コモディティ価格の高騰及びレアル通貨に対する大幅なドル高の為替で大幅な値上げを余儀なくされている。

2020年のブラジル国内の天然ガス価格は、COVID-19パンデミックの影響で、世界的な需要減少で天然ガスの国際コモディティ価格が低迷していたために、製造業部門は恩恵を受けていた経緯があった。

ペトロブラスによる天然ガスの値上げは、天然ガスの国際コモディティ価格の上昇以外にも農畜産部門や鉱工業部門の国際コモディティ価格並びにサービス財、レアル通貨の為替変動に大きく左右されるインフレ指数の一つである総合市場物価指数(IGP-M)の大幅な上昇も輸送料金値上げも一因となっている。

ブラジルパイプガス流通会社協会(Abegás)によると、ペトロブラスの売上は天然ガスの最終価格の59.0%であり、コンセッションのマージンは17%を占め、残り24%は各種の税金が占めている。今年5月のペトロブラスによる天然ガスの値上げは、各四半期ごとの価格調整で3回連続となる。

ペトロブラスではCOVID-19パンデミックの影響を受けた昨年5月は10%の値下げ、8月は23%値下げを実施したにも関わらず、昨年11月は33%値上げ、今年2月は2.5%値上げ、また今年5月は39%の値上げを予定、2020年1月から今年5月の天然ガスの値上げ幅は、37%に達すると見込まれている。

 

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