連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了していた。
しかし今年4月からの緊急給付金(auxílio emergencial)支給の再開による小売業界への経済効果は、127億5,000万レアルに達すると全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)エコノミストのFabio Bentes 氏は算盤を弾いている。
しかし今回の緊急給付金の支給再開による経済インパクトは、昨年の緊急給付金よりも対象者並びに支給額が少ない上に、支給期間が4ヶ月、また多くの対象者が負債を抱えているために、効果は昨年を大幅に下回ると見込まれている。
昨年の連邦政府による緊急給付金の支給総額は、3,000億レアルに達していたが、今回の緊急給付金の支給総額は、僅か450億レアルに留まるために、経済インパクトは非常に小さいとFabio Bentes氏は指摘している。
今年第1四半期の一般家庭の収入の多くは、延滞している分割払いの負債返済などに充てられているために、今回の緊急給付金の支給効果は、小売業界での消費は限定的と予想されている。
昨年上半期から開始された緊急給付金の支給額は600レアルであったが、下半期から大半の受給対象者は300レアルに減額された。今回4月から支給される緊急給付金の支給額は、家族構成によって150レアル、250レアル、375レアルに限定されている。
全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の試算によると、連邦政府の緊急給付金の支給額3,220億レアルのうち2,931億1,000万レアルは口座から引出されたが、35.4%に相当する1,038億レアルが小売業界で消費された。しかし約65%は負債軽減のための支払い、緊急給付金の支給終了後はポウパンサ預金など金融サービス業に流れていた。
一般家庭の債務残高が大きいために、今回の緊急給付金の小売業界への経済効果は、支給総額の31.2%に相当する127億5,000万レアルに留まると予想。2021年の小売業への毎月の影響はプラスにはなるが、昨年の8分の1の経済効果にしか繋がらないとBentes氏は悲観的な見方をしている。