ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の発表によると、2021年3月の鉄鋼卸売り業者による鉄鋼製品販売は、前年同月比22.7%の二桁増加の32万5,400トンを記録している。
今年第1四半期の鉄鋼製品販売は、前年同期比16.1%増加の96万2,400トン、今年3月の過去12か月間での累計販売は、12.4%増加の368万トンを記録している。
今年3月の鉄鋼卸売業者による粗鋼製品購買は、24.8%増加の34万100トン、今年第1四半期の購買は、13.9%増加の99万7,900トン、今年3月の過去12か月間での累計購買は、10.3%増加の358万トンとなっている。
ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)のカルロス・ロウレイロ会長は、鉄鋼卸売業者の鉄鋼製品販売は粗鋼製品購入を下回った要因として、鉄鋼製品の適正在庫が目的であり、今年3月の鉄鋼卸売業者の鉄鋼製品在庫は71万1,200トンで営業日数換算で2.2ヶ月分に相当する在庫を抱えている。
過去の鉄鋼卸売業者の鉄鋼製品在庫は、営業日数換算で3.5ヶ月前後であったが、粗鋼製品の国際コモディティ価格上昇で運転資金が圧迫されているために、現在の適正在庫と思われる2.5ヶ月~3か月の在庫への調整を行っている。
今年初めから現在までに鉄鋼メーカーによる鉄鋼製品値上げは既に3回実施されて約35%値上がりしているが、2020年の1年間の鉄鋼製品値上げは90%に達していた。
現在、鉄鋼メーカーは鉄鋼製品の再度の値上げについて議論していないが、鉄鋼製品の値上げは鉄鋼メーカーにとって収益改善に繋がる一方で、鉄鋼製品の需要は減少する。
仮にレアル通貨に対するドルの為替はR$6.00に達すれば、輸入鉄鋼製品の競争力が増加するとロウレンソ会長は指摘している。ナショナル製鉄所CSN、アルセロール・ミッタル社並びにウジミナス製鉄所はそれぞれ4月に鉄鋼製品価格を10%~12%値上げしていた。
多くの顧客は鉄鋼メーカーと価格交渉を行って既に合意に達してきており、4月または遅くとも5月中には鉄鋼製品の供給問題は解決するとロウレイロ会長は指摘している。