今年初めから鉄鉱石の国際コモディティ価格は、1トン当たり170ドル近くで推移しており、資源大手ヴァーレ社の2021年第1四半期の純益は前年同四半期比2220%増加に相当する55億4,600万ドルを計上している。
ヴァーレ社の昨年同期の純益は、COVID-19パンデミックの影響も受けて僅か2億3,900万ドルに過ぎなかった。また前四半期の昨年10月~12月の純益7億3,900万ドルの7倍以上の純益を計上している。
今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、83億5,000万ドルを記録して、前年同四半期の28億8,200万ドルの約3倍に増加している。またヴァーレ社は今年第1四半期に58億ドル以上の自由決済ア可能なキャッシュフローを生み出している。
今年第1四半期の鉄鉱石生産は、COVID-19パンデミックの影響を受けた前年同期比14.2%増加の6,800万トンに達したが、前四半期比では、マイナス19.5%と二桁台の減少を記録している。
ヴァーレ社の今年第1四半期の鉄鉱石生産が前年同期比二桁台の伸び率を記録した要因として、ミナス州のチンボペーバ鉱山やヴァルジェン・グランデ工場のパレット生産の生産再開が寄与している。またカラジャス鉱山のSerra Norte鉱山システムの鉄鉱石生産は少ない降雨量で順調に推移した。
昨年のヴァーレ社の鉄鉱石減産は、イタビーラ鉱山での12日間の操業停止、パラー州‐マラニョン州の北部システムのCOVID-19の実験用プロトコル採用による鉱山労働者の欠勤。ミナス州のチンボペーバ鉱山やヴァルジェン・グランデ工場のパレット生産もCOVID-19の影響を受けていた。
今年のヴァーレ社の鉄鉱石生産は、3億1,500万トン~3億3,500万トンが予想されているが、年末までに3億5,000万トン迄の生産能力の引上げの可能性が見込まれている。