Locomotiva協会の今年1月に実施した調査によると、COVID-19パンデミックの影響で、銀行口座関連のデジタル化が飛躍的に進展して、銀行口座開設が簡素化されて利用が増えている。
しかしブラジル人の10%に相当する1,630万人は銀行口座を擁していない。また人口の11.0%に相当する1,770万人は、銀行口座を所有しているにも関わらず、昨年12月に1回も自身の銀行口座を利用しておらず、人口の21.0%に相当するブラジル人は銀行口座の非利用者であるが、2020年1月の比率29.0%から8.0%も減少している。
ブラジルの人口の21.0%に相当する銀行口座の非利用者の資産運用総額は3470億レアルに達して、ブラジル人の資産運用総額の8.0%に相当する。
COVID-19パンデミックの影響で、ブラジル人の銀行口座のアクセスのデジタル化が飛躍的に進んだが、緊急給付金(auxílio emergencial)の支給以前の2020年3月の現金取引は2,142億レアル、昨年12月は依然として緊急給付金の支給の恩恵を受けて3,094億レアルに達していたが、今年3月は緊急給付金支給停止で2,861億レアルまで減少していた。
連邦政府は貧困層や失業者などを対象に連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了したが、最貧困層の銀行口座の開設が大幅に進んだ。
しかし依然として、3,000万人以上に相当するブラジル人は銀行口座を所有していないか、銀行口座アクセスのプロセスを熟知していないために、現金使用を続けている。
銀行口座を所有していない人口の大半は、大都市圏から離れた農村部の住民、女性、18歳~29歳の若年層、Dクラス及びEクラスの貧困層で形成されている。また銀行口座を擁していない人対象の調査では、44.0%は銀行口座の開設を欲していないか、必要性を感じていない。40%は預金する現金を擁していないと回答している。