今年第1四半期のエンブラエル社の赤字は62%減少(2021年4月28日付けエスタード紙)

ブラジルの航空機メーカーエンブラエル社の2021年第1四半期の純益は、4億8,990万レアルの赤字を計上したが、昨年第1四半期の赤字を62.0%も下回って大幅な改善をしている。

今年第1四半期の純売上は、全てのセグメントで売り上げが改善並びにレアル通貨に対するドル高の為替も追い風となって、前年同期比54.0%増加の44億5,000万レアルを記録している。

昨年3月からCOVID-19パンデミックの影響で、世界各国が感染拡大の激しい都市のロックダウン並びに外出自粛政策の導入で、観光業界並びに航空業界は計り知れない影響を受けており、またCOVID-19パンデミックの終焉が不透明なために、今後の見通しが立たない状況が続いていた。

特にエンブラエル社は、ボーイング社との民間機事業の統合中止並びにCOVID-19パンデミックの影響で、昨年上半期の航空機の納入は、前年同期比で75.0%下落を記録して壊滅的な打撃を受けていた経緯があった。

同社の今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、72.0%増加の8,210万レアルであった。

今年第1四半期の商用航空機部門の売上は、航空機9機の納入で前年同期の6億1,780万レアルの2.5倍に相当する15億レアルと大幅に回復、商用航空機部門の売上比率は、全体の34.0%を占めている。

同社は、4月に非公開の顧客から第2四半期のバックログに反映されるジェット機E195-E2を30機の受注、ルフトハンザ航空とインドの航空会社Trujet社との交渉が進行中で、運航中のリージョナルジェット機の数を100機以上増やす計画の一環として、エンブラエルとエアバスとの協議で確認している。

また同社の今年第1四半期のエグゼクティブジェット機部門の売上は、前年同期の6億850万レアルから8億4,100万レアルに増加。防衛・安全保障などの防衛省向け部門は、51.0%増加の7億760万レアル、ブラジル空軍向けにC-390 Millennium機を5機納入している。

エンブラエルの今年第1四半期のサービス並びにサポート部門の売上は、前年同期の11億7,000万レアルから2億レアル増加の13億7,000万レアルに増加している。

 

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