2021年3月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、21億レアルの黒字を計上、2014年以降では最高の黒字を計上している。
今年3月の中央政府の財政プライマリー収支黒字21億レアルは、2月の212億レアルの赤字から一転して黒字を計上、昨年3月の財政プライマリー収支は、211億レアルの赤字を計上していた。
今年3月はCOVID-19パンデミック拡大で多くの自治体は、必需品以外の営業の自粛要請を行っていたが、4月中旬から多くの自治体は、必需品以外の営業活動緩和を開始したために、今年4月の財政プライマリー収支は改善すると予想されている。
ブロードキャストプロジェクションの17金融機関対象の調査によると、大半の金融機関は、3月の財政プライマリー収支を50億レアルの赤字を予想していたにも拘らず、21億レアルの黒字計上となった。
今年第1四半期の財政プライマリー収支は、244億レアルの黒字計上で2013年以降では最高の黒字を計上、昨年第1四半期の財政プライマリー収支は、28億レアルの赤字を計上していた。
今年3月の過去12か月間の中央政府の財政収支は、GDP比9.5%に相当する7,595億レアルの赤字を計上、今年の中央政府の財政収支は2,471億レアルが容認されている。
COVID-19パンデミックによる臨時歳出が容認されて、昨年の連邦政府の公共負債はGDP比88.8%であったが、国庫庁では、今年の公共負債はGDP比87.2%に若干減少すると見込んでいる。国際通貨基金(IMF)では、新興国の平均公共負債はGDP比64.4%とブラジルは平均を大幅に上回っている。
国庫庁によると、今年の連邦政府の公共財政負債は、名目国内総生産の増加並びに公立銀行から国庫庁への支払前倒し、公共負債向け政府系ファンドの1,400億レアルの補強を指摘している。
2020年の連邦政府の純公共負債は、GDP比62.7%から今年はGDP比65.0%と大幅な増加が予想されている。経済省では、今年のGDP成長率は利息支出や財政プライマリー収支赤字をカバーするには不十分であり、財政目標の許容範囲を上回る2,800億レアルの財政支出を考慮している。
2023年の名目公共負債はGDP比87.3%、2025年は88.3%、2026年は88.5%と継続して上昇予想、2030年の名目公共負債は、GDP比83.6%が見込まれている。
また2023年の連邦政府の実質公共負債はGDP比70.0%、2025年は74.3%、2027年は76.5%、しかし2030年の実質公共負債は、GDP比75.4%への減少が見込まれている。
国庫庁では、2030年までに公立銀行から国庫庁への支払前倒し総額は、1,920億レアルが見込まれているが、これには今年3月の社会経済開発銀行(BNDES)による380億レアルが含まれている。