13日(木)午後2時から在サンパウロ日本国総領事館の桑名良輔総領事は外務大臣表章の栄誉に浴されたブラジル日本商工会議所平田藤義事務局長に対し、オンラインによる令和2年度外務大臣表章伝達式を行った。
伝達式は先ず来賓参加者の紹介、総領事による表彰状の読み上げおよび挨拶に続き来賓の祝辞(文協会長および会議所監事会議長)、受章者挨拶、会議所会頭による乾杯の音頭、閉会挨拶の次第で執り行われた。
来賓としてレナト石川文協会長、マーリオ岩水日伯文化連盟副会長、ブラジル日本商工会議所関係者の村田俊典会頭、小寺勇輝副会頭、佐々木達哉副会頭、ワグネル鈴木副会頭、長島公一理事、二宮正人監事会議長ほか渡辺和夫元高等判事、青木智栄子ブルーツリー社長(会員)等に加え、平田ファミリー(Glaci Bayer, Jackson Daio, Karin Yumi, Jonas Keizo)が参加した。
桑名総領事からのご挨拶要旨(尊敬語、丁寧語、謙譲語省略):
平田事務局長は1967年に工業技術移住者として渡伯、倉敷紡績に勤務された後に1973年から97年までロームブラジルで勤務をされた。ローム時代は人材育成を目的とした日本のQCサークル活動を導入、74年にはJ&J社、GM、Embraer、Kodak社など周辺地域の企業と共にブラジルで初めて品質管理協会を設立、理事や副会頭を歴任される等ブラジル製造業の生産性や品質の向上に尽力。
2002年にはブラジル日本商工会議所の事務局長に就任、新規会員の勧誘や組織運営に尽力、18年間で会員企業数を約80社増加させるなど商工会議所の活性化に大きく貢献。また長年にわたるブラジルでのビジネスを通じて培った人脈や知見を活かし会員企業に対して的確なアドバイスを提供した他、他国の商工会議所や日系団体等々との連携強化、ビジネス政策提言等々に積極的に取り組まれ、当地ビジネス環境の改善や日伯経済関係の強化に大きく貢献。
2015年にはブラジル日本商工会議者が当国のビジネス上の諸問題を整理し、具体的な改善策を提示するためのさらなる投資実現に向けた行動計画を取り纏め、その過程において重要な役割を担い大きく貢献。さらに18年には商工会議所に日本メルコスールEPA準備タスクホース(TF)が設置され、同年だけで計8回に及ぶTF会合が開催されたが、その過程においても会議のアレンジだけでなく、会員企業の意識調査と幅広い分野で中心的な役割を担い尽力を注いだ。
また、昨年来新型コロナウイルスの感染拡大が続いているが、この様な厳しい状況下においてもオンラインでの情報発信や会員企業間との交流の強化に努め会員企業の活動支援に貢献を頂いている。平田氏の長年に亘る貢献と功績に心より感謝を申し上げる。引き続き感染症の厳しい状況が続くとものと思われるが、今後ともどうぞお元気でご活躍頂き当地における日本企業のプレゼンス増強と日伯経済関係のさらなる緊密化の為にご貢献を頂ければ幸いである。
本日の栄ある受賞を皆様と心からお祝いするとともに平田様、ご家族をはじめ皆様の益々のご健勝とご多幸を祈念してご挨拶とさせて頂きます。
平田事務局長挨拶要旨:
コロナ禍の中、ご多忙なところご来賓の皆様方、本日の伝達式にご出席頂き、心から厚く厚くお礼を申し上げます。また桑名総領事をはじめレナト石川文協会長、二宮正人先生から温かい又激励のご祝辞をいただき深謝いたします。
浅学菲才な私が、この様な栄誉ある外務大臣表章に預かる事は誠に驚きであり、恐縮に存じる次第であります。天職として授けられた職務をこの18年間、極当たり前のことを極当たり前にベストを尽くして来たに過ぎないからであります。
「一将功なりて万骨枯る」と云う故事があります。成功者や指導者ばかりが功名を得るのを嘆く言葉ですが、私が本当にこの外務大臣表章を受章して良いものなのかどうか、むしろ献身的に私を支えてくれた方々に贈られるべき章ではないのかと、自問自答しながら正直に申しまして躊躇いを感じております。
日々会員の皆様からの悩みを聞き、相談相手となり、対応策を協議、タイムリーに適切なアクションをとるのが私の本職です。ビジネス環境を改善するにあたって日伯両国の政府関係者や政治家にとっては、時として耳の痛い案件も数多くございました。その私がこの輝かしい栄誉に浴びて、今、心も身も引き締まる思いがしております。
長い間私を支えてくれた身近な事務局職員をはじめ、多くの会員の皆様や日系諸団体ならびに本日ご来賓の方々のご指導・ご支援・ご協力の賜であったものと茲にあらためて厚くお礼を申し上げます。
会員の増強については、突然未曾有なパンデミックが襲い掛かり、未だ未だ道半ばであり逆に後退を余儀なくされています。しかしピンチはチャンスであると信じております。100年に一度の世界恐慌と騒がれた2008年の、あのリーマンショックから3年後、日本からの直接投資額が一挙に75億ドルに増えた実績があります。お陰様で会員も80社程度増えました。人の世、世界は常に変化し乍ら、必ずやそのより戻しが再現されるものと固く信じております。
今後、日本からの投資や進出企業が増えますと、申し上げるまでもなく人・モノ・サービス・お金が動きます。最先端のテクノロジーや日本の優れた5G社会も持ち込まれる結果、日本文化の普及にも一層ドライブが掛ります。自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的な価値を共有する日伯両国は真の意味での戦略的パートナーとして、もっともっと世界に貢献出来るものと思います。
この栄誉ある章を頂きました事を契機に、さらなる両国の関係強化に邁進する覚悟でございますので、引き続きご指導・ご鞭撻・ご協力のほど重ねて宜しくお願い申し上げます。最後にこの伝達式のご準備に全力を尽くされた総領事館の中野領事をはじめ関係者の皆様にお礼を申し上げ、簡単では御座いますが受章者の挨拶とさせて頂きます。本当に有難うございました。
写真提供: 在サンパウロ日本国総領事館
オンライン表彰伝達式の模様
平田事務局長と表彰状