鉄鋼メーカーは自動車メーカーと鉄鋼製品供給量の減少で調整(2021年5月19日付けエスタード紙)

鉄鋼メーカーと自動車メーカーとの鉄鋼製品価格調整は年間契約であったが、現在の国産の鉄鋼製品価格は、輸入鉄鉱製品同等か上回っており、今後は四半期若しくは半年ごとの価格調整を行う。      

今までは鉄鋼メーカーは、鉄鉱石や鉄鋼製品の国際コモディティ価格のボラティリティに関係なく、自動車メーカーに対して、年間を通して販売価格を固定していた。

しかし、先進諸国を中心としたCOVID-19対応のワクチン接種進展や経済回復傾向に伴って、特に鉄鉱石並びに鉄鋼製品の両方の国際コモディティ価格が上昇しているため、年間契約は鉄鋼メーカーにとって不利となっているので、四半期若しくは半年間の契約で合意している。

鉄鉱石や鉄鋼製品の国際的需要が供給を上回っているために、1年間の長期契約で価格を凍結することは、原材料の鉄鉱石の国際コモディティ価格の上昇では、自動車メーカーへの鉄鉱石品の供給価格修正の機会を無駄にするだけでなく、鉄鋼メーカーにとって、収益性を損なっている。

過去12か月間のブラジル国内の自動車、機械・装置並びに家電向けの圧延鋼のスポット価格は130%高騰、今年初めからの価格は既に46.0%高騰していると鉄鋼製品価格の変動をモニタリングしているコンサルタント会社S&P Global Platts社は指摘している。ウジミナス製鉄所は4月の業界アナリストとのテレカンファレンスで、今後数か月間以内の鉄鋼製品の再度の値上げを示唆していた。

レアル通貨に対するドル為替の高騰、フレートの高騰、輸入製品の安定供給リスクによる納品遅延などの問題を抱えている輸入鉄鋼製品に足して、国内鉄鋼メーカーは鉄鋼製品の国際コモディティ価格を上回る価格設定が可能となっている。

国内の鉄鋼メーカーの鉄鋼製品は、ドル高の為替や安定供給問題による鉄鋼製品の供給遅延などの要因で、輸入品よりも最高10%の鉄鋼価格販売が可能となっており、また大手自動車メーカーや大手部品サプライヤーは国産の鉄鋼製品購入の選択を余儀なくされている。

鉄鋼メーカーによる年間契約から四半期若しくは半年契約での価格見直しの期限短縮は、自動車メーカーの最大サプライヤーであるアルセロールミッタル製鉄所、ウシミナス製鉄所並びにナショナル製鉄所(CSN)の話し相手合意と各自動車メーカー購買担当責任者が指摘している。

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