新規株式公開による資金調達は300億レアルに達する可能性(2021年5月31日付けエスタード紙)

COVID-19対応のワクチン接種拡大並びにブラジル国内経済の回復兆候に従って、新規株式公開IPOを見合わせていた非上場企業の多くは、IPOを再検討しだした。

Cosan社並びにShell社のジョイントベンチャ-企業Raízen社、フィットネスジムチェーンのSmart Fit社、光ファイバブロードバンドインターネットプロバイダーのDesktop社などが新規株式公開を予定している。

今年5月にサンパウロ証券取引所(B3)で新規株式公開による資金調達総額は、予想を下回る180億レアルに留まったが、COVID-19ワクチン接種拡大による国内経済の回復プロセスや政治問題の雑音低下に伴って、今後のIPOは加速するとBradesco BBI社のFelipe Thut取締役は説明している。

今年5月のIPOによる資金調達が180億レアルに留まった要因として、COVID-19対応のワクチン接種の遅れや今年の基本予算法の国会承認の遅れなどの要因で、総額100億レアルに達するIPOの先送りを余儀なくされていた。

今年初め5か月間のサンパウロ証券取引所(B3)での新規株式公開(IP0)並びに追加公募増資(フォローオン)による資金調達総額は、既に650億レアルに達している。

また今後数か月間のIPOやフォローオンによる資金調達総額は、2019年1年間に匹敵する1,000億レアルに達するとThut氏は説明。今年の新規株式公開による資金調達は、昨年の1,290億レアルを上回る1,600億レアルを見込んでいる。

今年の第1IPOウインドウによる資金調達は330億レアル、今年5月の第2IPOウインドウでは180億レアル、次回の第3IPOウインドウでは1,000億レアルに達する可能性が予想されている。

イタウー銀行並びにフィブリア銀行では、今年のGDP伸び率を5.0%に達すると上方修正、鉄鉱石や石油、穀物などの国際コモディティ価格の上昇、先週金曜日のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は12万5,561ポイントと記録更新しており、新規株式公開を先延ばししている企業は、IPOでの資金調達を再検討している。

Cosan社並びにShell社のジョイントベンチャー企業Raízen社は新規株式公開で100億レアルを上回る資金調達を予定。ヴォトランチングループ傘下のアルミ精錬企業のCBA社は、IPOで20億レアルの資金調達を見込んでいる。

Smart Fit社はIPOで17億レアルの資金調達を見込んでおり、 インターネットプロバイダーのBrisanet社は20億レアル、小売販売プラットフォームのTradersClub社は7億レアルの資金調達を見込んでいる。またセメント業界のCSN Cimentos社並びにInterCement社は新規株式公開でそれぞれ70億レアルに達する資金調達の可能性を擁している。

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