農畜産ブームは今年第1四半期のGDP伸び率を牽引(2021年6月4日付けエスタード紙)

ブラジル国内の農畜産部門の一大産地は、過去数年間継続している農業ブームに輪をかけるように、先進国を中心としたCOVID-19対応のワクチン接種拡大による世界経済の回復に伴って、農産物需要の拡大で、国際コモディティ価格が上昇してきており、農畜産部門への投資ブームをきたしている。

農畜産部門への投資として、耕作面積の拡大、農産物生産へのテクノロジー、農産物加工向け工場やサイロの建設、農業機械・装置の購入、輸送ロディスティック、農畜産物輸出のインフラ整備向け投資が拡大している。

 昨年1年間でドルで取引される農畜産物の国際コモディティ価格は、レアル通貨換算で60%上昇、また昨年の穀物生産は過去最高を記録して、農産物販売によるマネーは、ブラジル国内の農産物生産地帯の隅々にまで行渡ってブームが起きている。

今年第1四半期のブラジルのGDP伸び率は、前四半期比1.2%増加したが、COVID-19パンデミックが収束していないにも拘らず、穀物並びに食肉、投資が牽引して、農畜産部門のGDP伸び率は5.7%増加を記録している。

今年4月の過去12か月間の大企業による農畜産部門の新規投資は、27件が発表されており、食肉や穀物加工などを中心に投資総額は、70億レアルに達している。

2015年の農畜産部門は、旱魃、低迷していた農畜産品の国際コモディティ価格並びにクレジット部門の与信強化など、現在の状況とは正反対の最悪の状況であったとオランダ系RabobankのFabiana Alves取締役は説明している。

現在のブラジルの農畜産部門は、2年連続での順調な天候による記録的な穀物生産、国際コモディティ価格の高止まり、レアル通貨に対するドル高の為替による輸出拡大、低金利のクレジットなど農畜産部門のブームを牽引して、更なる新規投資の拡大に繋がっている。

2021/2022年度の穀物の栽培面積は、300万ヘクタール増加が予想されており、160万ヘクタールは大豆生産向け耕作面積の拡大、100万ヘクタールはトウモロコシ、30万ヘクタールは棉栽培の耕作地の拡大となっている。

2021/2022年度の穀物の栽培面積の拡大に伴って、農業機械、化学肥料・有機肥料、農薬、サイロ、輸送トラック、食品加工工場の建設など膨大な投資が必要になるとMB Associados社エコノミストのJosé Roberto Mendonça de Barros氏は説明している。

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