企業経営者の景況感は、一般消費者の景況感を大幅に上回っている(2021年6月8日付けエスタード紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2021年5月の企業経営者の景況感指数(ICE)は、4月の89.8ポイントから大幅に上昇して、景況感の分岐点となる100ポイントに接近する97.7ポイントを記録している。

一方今年5月の一般消費者の景況感指数(ICC)は、4月の72.5ポイントから76.2ポイントと4.0ポイント近く上昇したにも拘らず、その差は、21.5ポイントと2008年8月から統計を取り始めて最大の開きを記録している。

今年3月の企業経営者の景況感指数(ICE)は85.5ポイントに対して、一般消費者の景況感指数(ICC)は、68.2ポイントと誤差は17.3ポイントであった。

また今年4月の企業経営者の景況感指数(ICE)は、89.8ポイントに対して、一般消費者の景況感指数(ICC)は、72.5ポイントとそれぞれ前月よりも改善したが、誤差は前月同様に17.3ポイントであった。

今年2月の一般消費者の景況感指数(ICC)は、4か月連続での減少から上昇に転じ、前月比2.2ポイント増加の78ポイントを記録した一方で、企業経営者の景況感指数(ICE)は、前月の92.9ポイントから91.1ポイントに悪化していた。

5月の企業経営者の景況感指数(ICE)と一般消費者の景況感指数(ICC)の21.5ポイントの開きが生じた要因として、今年第1四半期のGDP伸び率は、前四半期比1.2%増加した一方で、需要がマイナス0.6%、高止まりする失業率、食料品が牽引するインフレ圧力、一般家庭の負債増加などの要因で、一般消費者の景況感が低迷している。

今年1月は、COVID-19パンデミック対応の緊急給付金の停止並びにCOVID-19の第2次感染拡大の可能性の影響で、企業経営者の景況感指数(ICE)は、前月の95.1ポイントから92.9ポイント、一般消費者の景況感指数(ICC)は、78.5ポイントから75.8ポイントとそれぞれ悪化していた。

5月の企業経営者の景況感指数(ICE)は、97.7ポイントと2015年の経済リセッション突入前の2014年以降では最高の景況感指数を記録、今後は一般消費者の景況感指数(ICC)の改善に伴って、景況感の誤差は縮小すると予想されている。

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