今年の穀物生産は旱魃予想で下方修正か(2021年6月10日付けエスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の5月の穀物生産調査によると、2021年のブラジル国内の穀物生産は、降雨不足による旱魃の可能性の上昇に伴って、4月の予想の下方修正を余儀なくされている。

5月の今年の穀物生産予想は、4月予想の0.6%相当の170万トンの下方修正で、2億6,280万トンに留まると予想されているにも拘らず、前年比では、3.4%に相当する860万トン増加で記録更新が見込まれている。

5月の今年の穀物生産予想は、前月に続いて2か月連続で下方修正されているにも関わらず、穀物生産の記録更新をブラジル地理統計院(IBGE)農畜産担当のCarlos Alfredo Guedes部長は指摘している。

今年の大豆生産予想は、前年比9.4%増加の1億3,290万トン、コメは2.8%増加の1,140万トン、一方棉生産は前年比二桁台の19.7%減少の570万トンが見込まれている。

今年のトウモロコシ生産は、旱魃の影響で前年比3.9%減少が見込まれている。そのうち今年のトウモロコシの第一期作は、前年同期比2.8%減少、第二期作は、4.3%減少の予想で9,920万トンに留まると予想されている。

5月のトウモロコシ生産予想は、4月の予想を330万トン下回った一方で、5月の大豆生産予想は、4月よりも98万2,500トンの上方修正、小麦も52万7,000トン、コメ生産も27万トンそれぞれ上方修正されている。

今年5月の南大河州並びにバイア州、マラニョン州、ピアウイ州並びにトカンチンス州で構成される穀物生産フロンティアのマトピバ地域の大豆生産は、4月の予想を0.7%上回っている。

今年の小麦生産は、昨年の大幅減産及び国際コモディティ価格の上昇で栽培面積の大幅な増加で、前年比26.8%の二桁増産が見込まれている。10月からの収穫が見込まれる5月の小麦生産予想は、前月比7.2%増加が見込まれている。

ブラジル国内の旱魃予想で、5月のトウモロコシの生産予想は、特に第二期作の減産で4月に続いて連続で下方修正されているが、トウモロコシは、家畜の飼料を構成しているために、ここ数か月間の食肉価格の上昇に繋がっている。

大豆、トウモロコシ並びに小麦の国際コモディティ価格は、高止まりする傾向となっているが、フェジョン豆の価格は低迷している。また今年の米生産は、増産予想で昨年よりも下がる傾向となっている。

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