ブラジルの商業銀行は、今後のクレジット向け与信評価で、投資家をはじめとするステークホルダーの企業評価で財務情報に加え、持続可能性の観点も重視する動きでてきている。
また、気候変動や人権問題といったグローバル課題が深刻化するなか、各企業は事業によって課題解決に取り組み、環境・社会と企業、双方の持続可能性を高めていくことが求められている現状で、銀行のクレジットに対する姿勢に大きな変化が表れてきている。
イタウー銀行は、2年前にESGに対する取り組みを発表、今回は2025年までに総額4000億レアルのESG関連の特別クレジット枠を設けている。クレジット選定の企業の持続可能性を測るものさしとしてEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った「ESG」情報内容を審査対象する。
ブラジル銀行連盟(Febraban)のESG分類基準に加えて、国際的に使用される分類を統合し、ブラジル国内のESGに関する基準を他の国よりも厳しく採点しているとイタウー銀行法務・企業関係を担当する執行委員会のLeila Melo事務局長は説明している。
イタウー銀行では、再生可能エネルギー分野、保健衛生、教育、インフラ、紙・パルプ部門並びにアグロビジネス部門へのEGS関連クレジットを優先するが、ESG格付けランクで60%若しくは40%のクレジットが供与される。
ESG(環境・社会・企業統治)投資では、再生可能エネルギー活用や二酸化炭素(CO2)排出削減が企業の評価軸となっているが、石炭や煙草関連投資はランク外となっている。