今年のGDP伸び率上昇で、連邦政府の対内債務残高は予想を下回る可能性が濃厚(2021年6月16日付けエスタード紙)

COVID-19パンデミックの年初に、2021年のブラジルの対内債務残高は、GDP比100%に接近すると予想されていたが、金融市場関係者は、COVID-19ワクチン接種拡大や国内経済の回復に伴って、今年の対内債務残高は、GDP比80%前後に留まると楽観的な予想に上方修正している。

COVID-19パンデミック対応の連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の緊急給付金(auxílio emergencial)の再支給などによる歳出増加及び国内経済の低迷による企業の収益悪化による国庫庁の歳入減少に伴って、今年初めの金融市場関係者は、今年の連邦政府の債務残高は、GDP比100%に達すると予想されていた経緯があった。

2020年のブラジルのGDP伸び率は、当初予想のマイナス9.1%から中国を筆頭に、世界経済は予想を下回る景気後退に留まったために、中国向け国際コモディティ商品輸出の増加や過去最低並みの金利などの要因で、マイナス4.1%と予想を大幅に上回る経済後退に留まった。

国際通貨基金(IMF)では、2020年のブラジルの負債残高は、GDP比102.3%と予想していたがにも拘らず、GDP比89.3%に留まったが、2019年の負債残高を15ポイント上回っている。

イタウー銀行は、今年のブラジルの対内債務残高を前回予想のGDP比84.1%から81.9%に下方修正、2022年もGDP比84.5%から81.6%に下方修正、ブラデスコ銀行では、今年のブラジルの対内債務残高を前回予想のGDP比89.7%から84.6%と5ポイント以上も下方修正、ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)では、86.1%から84.0%にか阿呆修正している。

今年第1四半期のブラジルのGDP伸び率は、予想を上回る前四半期比1.2%増加、予想を上回る国庫庁の歳入増加で、負債残高の減少に結びつく結果となっている。

法人並びに個人による税収、ロイヤリティ収入、連邦公社の利益・配当金、公共入札による臨時歳入などの今年の歳入総額は、当初予想よりも700億レアルに相当する4.2%増加の1兆7,590億レアルに達すると予想されている。

またブラデスコ銀行チーフエコノミストのFernando Honorato氏は、今年初め4か月間の正規雇用は、95万7,900人増加による経済回復による税収増加に寄与していると指摘している。

またCOVID-19パンデミック対応の緊急給付金(auxílio emergencial)の3か月延長は、110億レアルの臨時歳出に相当するが、債務残高には、ほとんど影響しないとIbre/FGVエコノミストのMatheus Rosa Ribeiro氏は指摘している。

今年のGDP伸び率が2.5%増加、政策誘導金利が6.0%前後に留まれば、今後数年間の対内債務残高は、持続的成長可能な範囲に留まるとコンサルタント会社LCA社エコノミストのBraulio Borges氏は指摘している。

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