今月17日、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)民営化のための暫定令は上院議会で、賛成票42票、反対票37票の僅差で承認されたが、MPの法令化期限22日の1日前の21日に下院議会での承認を得る必要がある。
今年2月23日付け官報に掲載されたブラジル中央電力公社(Eletrobras)民営化のための暫定令MP1031号/21は、5月19日に下院議会で賛成票313票、反対票166票で承認されたが、MPの法令化には、6月22日までに上院議会での承認を得なければならない。
暫定令MPのオリジナルテキストは、下院議会並びに上院議会で理解しがたい要求を含めたテキストの変更されたために、今後長期にわたって一般消費者や企業の電力エネルギーコストは840億レアルに相当すると見込まれている。
5月19日に下院議会で承認されたブラジル中央電力公社(Eletrobras)民営化のための暫定令MP1031号/21のテキストには、コストの非常に高い火力発電所や小型水力発電所(PCHs). の建設が義務付けされており、一般消費者にとって電力エネルギー料金値上げに繋がる。
エレトロブラス公社の株式の60%は連邦政府が所有して、経営権を握っているが、民営化後の株式所有比率は45%まで減少するものの、継続して保留する45%の株式はゴールデンシェアと呼ばれる特別優先株であり、経営審議会で拒否権を発動できる。
民営化のための暫定令MP1031号/21のテキスト内容には、一般消費者に対する電力料金値下げに繋がる可能性は少なく、火力電力に依存する割合が少ない北東部地域の電力料金値上げ比率が大きい。
Elmar Nascimento下院議員 (DEM-BA)による暫定令MP1031号/21の主なテキスト内容の変更として、下院では6ギガワットであったが、上院では更に8ギガワットに変更、火力発電所との契約義務は天然ガスパイプライン網の少ない北東部地域、北部地域並びに中西部地域の入札で行われる。
しかし連邦政府は、エレトロブラス公社の民営化で電力エネルギー料金は最大7.36%安くなると説明しているにも拘らず、計算方法の根拠の詳細は提示していないが、テキストは来週下院議会での新たな分析が必要となっている。
パウロ・ゲーデス経済相が率いる経済省では、今まで連邦公社の民営化は何一つ実現していない一方で、航空管制を担当する銀部関連のNAV公社を設立している。
貯水ダム面積が3キロ平方メートル以下の発電能力が50メガワットまでの小型水力発電所(PCHs)入札では、2026年までに40%を契約、コンセッション契約期間は20年間が予定されているが、一般消費者への価格転嫁を余儀なくされると予想されている。
ローライマ州を国家電力統合システム(SIN)に統合するアマゾナス州マナウス市とローライマ州ボアビスタ市を結ぶ電力送電工事開始に対して、連邦政府は、ブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)及び国立インジオ保護財団(Funai)を無視する形でゴーサインを出している。