21日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年の国内総生産(GDP)伸び率は、世界経済の回復並びにブラジルの輸出を牽引する食料品、鉄鉱石や原油などの国際コモディティ商品価格の上昇で、前回予想4.85%から5.00%大幅修正、1か月前の予想は3.52%であった。
しかし2022年のGDP伸び率は、前回予想の2.20%から2.10%に下方修正している。6月1日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、今年第1四半期のブラジルのGDP伸び率は、前四半期比1.2%増加を記録している。
今年の鉱工業部門のGDP伸び率は、前回予想の6.11%から6.20%に上方修正したが、1か月前の予想は5.50%であった。2022年の鉱工業部門のGDP伸び率は、前回予想の2.50%~2.43%に下方修正、1か月前の予想は2.30%であった。
今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.82%から5.90%に11回連続で上方修正、1か月前の予想は5.24%であった。
今年のIPCA指数の中央目標値は3.75%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定されているが、5.90%予想は、許容範囲上限値を大幅に突破している。
また2022年のIPCA指数は、前回同様3.78%の据え置かれたが、2022年のIPCA指数の中央目標値は、3.50%を上回っている。1か月前の予想は3.67%であった。2023年のIPCA指数は3.25%予想となっている。
今年末の政策誘導金利(Selic)は、前回予想6.25%から6.50%に上方修正、中銀は今年3月にSelic金利を過去最低の2.00%から2.75%、5月に3.50%、6月に4.25%に引き上げていた。