ショッピングセンターのテナント代調整の基準となる今年5月の過去12か月間のインフレ指標の一つである総合市場物価指数(IGP−M)は37.0%を大幅な上昇を記録している。
しかし連邦政府の公式インフレ指数である5月の過去12か月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、8.0%に留まっているために、テナント契約者は賃貸料支払いに苦慮しているために、賃貸料調整をIGP−MからIPCA指数への変更を要請している。
一方、ショッピングセンターや商業ビルなどのテナントオーナーや連邦政府は、安易な賃貸料調整の指数変更は、海外投資家のブラジル国内の建設不動産部門への意欲を削ぐと反対しており、賃貸料の自由交渉を支持している。
Vinicius Carvalho下院議員 (Republicanos-SP)による賃貸料調整の指数変更案件は、ショッピングセンターのオーナーや不動産ファンドを管理する金融機関関係者の反対で、下院議会で止まっている。
COVID-19パンデミックの影響で、売上が壊滅的に減少しているテナント賃貸者にとって総合市場物価指数(IGP−M)による賃貸料調整は不可能とVinicius Carvalho下院議員と指摘している。
1991年の賃貸料に関する法令では、賃貸料調整は特定のインフレ指数の採用を指定していないにも拘らず、不動産業界では総合市場物価指数(IGP−M)による賃貸料調整は伝統的に慣例となっている。
今年5月の過去12か月間の総合市場物価指数(IGP−M)が37.0%と大幅上昇した要因として、レアル通貨に対するドル為替の高騰並びに国際コモディティ価格の高騰が挙げられる。
IGP-M指数の60%は卸売物価指数で生産者の生産コストを左右する。また30%は一般消費者の物価指数、固法の10%は建設業部門のインフレ指数で構成されている。
IPCA指数は、ブラジル国内の大都市の消費者の400アイテムの物価指数で構成される公式インフレ指数、ブラジル国債の利率の基準となる指数。