医療保健部門の企業の買収や統合は加速し続けており、規模の大きな医療保健企業は最大の効率を求めて企業買収に走っており、また医療サービス提供企業は、サービスの補完性確保を追求している。
今年6月だけでも病院ネットワーク、医療センター並びにラボラトリー業界では5件で23億レアルに達する買収案件が成立して業界再編が加速してきている。
2020年末から医療業界では、Rede D’Or社の新規株式公開IPOによる113億レアルの資金調達を含めて、サンパウロ証券取引所B3では252億レアルの資金調達が行われている。
医療保健業界では、新規株式公開での資金調達ができないKora Saúde社やAthena社などの中小規模グループは、投資家や自社の持ち株主に融資の要請を行っている。Viveo社は今年4月の予定していたIPOが不成立となったために、運転資金調達のために億レアルの社債を発行している。
医療保健業界の医療サービス提供企業が扱っている製品が輸入非であるために、レアル通貨に対するドルの為替高騰やインフレ上昇にも拘らず、価格転嫁が出来にために収益圧迫を余儀なくされている。
健康保険、クリニック並びに病院に至るまでの垂直型の一貫したサービス提供は、コスト削減のための最も効率的な戦略であることが証明されており、業界再編に拍車はかかっている。
ノートルダム・インターメディカ社やHapvida社などの主要な医療保健グループは、効率化を図るために積極的に企業買収を行ってマーケットシェア争いを展開している。
業界再編による川上から川下までの事業統合による効率化アップで、独自のネットワークを擁する病院の事故率は、2016年の95%から2019年には89%に低下して大幅に効率アップ、独自のネットワークを持たない病院でも、88%から84%に低下している。
ノートルダム・インターメディカ社並びにHapvida社の合併は、ミナス州ベロ・オリゾンテ市やサンパウロ州カンピーナス市の医療保健分野を独占しているUnimed社に対抗できるとÓrama Investment Banking社のAleardo Veschiパートナーは指摘している。
ベロ・オリゾンテ市のUnimed社は、病院並びに医療スタッフの水準はブラジルでも比類がない程に高いが、過去2年間でノートルダム・インターメディカ社並びにHapvida社は病院を買収して進出、Rede D’Or社も最高級レベルの病院を買収、Mater Dei社は株式公開して進出を図っている。
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医療保健業界では、ブラジル人の生活向上に伴って需要が拡大してきており、農畜産業界が好調な中西部地域のクイアバ市やカンポ・グランデ市に先を争って進出、Unimeds社がマーケットシェアを握っている南大河州に、Intermédica社は進出、またサンタ・カタリーナ州フロリアノポリス市にも足場を築いている。