総務委員会(佐々木達哉委員長)安全対策チーム(河崎宏一リーダー)主催のオンラインセミナーは、2021年6月24日午後6時から7時30分まで約130人が参加、テーマ『サンパウロの治安情勢と安全対策・新型コロナウイルス感染症対策』で開催、司会は河崎チームリーダーが担当、佐々木総務委員長が開催挨拶を行った。
初めに在サンパウロ日本国総領事館の仲谷嘉行領事は、サンパウロの治安情勢と安全対策について、初めにサンパウロの治安情勢として2016年以降の殺人事件、強盗事件並びに窃盗事件の発生件数の推移、2016年以降の邦人被害の推移及び犯罪傾向について説明した。
続いて防犯に対する心構えや対策として、きょろきょろ動作による警戒心維持、ラフな服装と最小限の所持品の分散所持、通勤や通学路変更による日常行動の非パターン化、犯罪被害に遭遇した時の対処として、犯人の指示に従い、犯人の顔を見ない。抵抗などと誤解される素早い動きの禁止が特に重要と指摘。被害届の重要性として、警察は被害届を基に状況把握や分析、犯罪地域や拠点、犯罪発生地域の地図作成や防犯対策や捜査支援に役立つために、インターネットによる被害届や大使館・総領事館への連絡の重要性を強調した。
質疑応答では、外出時の服装。サンパウロ市内の犯罪多発エリア及び時間帯。現金や所持品所持の分散の有効性。バスや鉄道利用の危険性。強盗・盗難被害を避ける方法。防弾車の利点並びにリスク。UBERや一般タクシー利用の注意点など仲谷嘉行領事の貴重なアドバイスで、防犯に対する心構えの再認識に繋がる素晴らしい講演であった。
続いて渡邊聡太副領事は、新型コロナウイルス感染症対策について、ブラジル及びサンパウロ州の感染状況、新規死亡者の推移、サンパウロ州の公立病院のICU及び一般病棟の入院患者数の推移、各種ワクチンの確保状況、接種状況、各ワクチンの特徴、接種回数、接種間隔、保管条件並びに留意点。サンパウロ州並びにサンパウロ市の今後のワクチン接種のスケジュール、ワクチン接種の申込方法などをブラジル及びサンパウロの新型コロナウイルス感染状況が鮮明に理解できる講演であった。
原田 信治医務官は、質疑応答で挙げられた本日のセミナー資料の入手。第1波と第2波の武漢株と変異株の相違点。変異株に対する有効なワクチン。1回目と2回目の異なるワクチン接種による有効性。ブラジルと日本では同じワクチンでも接種間隔が違う理由。ワクチンの副作用を避けるために打たないほうが有効か。ブラジルの変異株に有効なワクチン。ファイザー製ワクチンの保管条件は厳しいが、可能か。ワクチン接種で他人にうつす可能性は低下するのか。ブラジルでアストラゼネカワクチンを2回摂取したが、日本で異変株に強いワクチン接種は可能か。若年層は抗体が定着しやすいのかなど多岐に亘る質問に対して、非常に分かり易く納得できる説明でテキパキと溜飲が下がる回答をしていた。
PDF 安全対策講話(2021) 在サンパウロ日本国総領事館の仲谷嘉行領事