今年上半期の自動車メーカーは、半導体不足で12万台の新車生産を断念(2021年7月7日付けエスタード紙)

2021年上半期のブラジル国内で新車を生産している各自動車メーカーは、全世界的に半導体を中心とした電気・電子部品の供給不足の影響で、10万台から12万台に達する新車生産の断念を余儀なくされていると全国自動車工業会(Anfavea)のLuiz Carlos Moraes会長は指摘している。

今年6月の過去12か月間の新車生産は、世界的な自動車向け半導体不足で、前年同期比13.4%の二桁台の減少を余儀なくされており、今年上半期の新車生産は、最高14万台の減産になるとLuiz Carlos Moraes会長は困惑している。

ボストン・コンサルティンググループ(BCG)の統計を基にした調査によると、世界的な半導体の供給不足による今年上半期の南米での新車生産は、16万2,000台の減少を予想、ブラジルの自動車生産は、南米の80%~85%を占めている。また今年上半期の世界全体の新車生産の減少は、360万台に達すると予想している。

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の今月初めの発表によると、今年上半期の乗用車販売は、部品不足で各自動車メーカーは生産調整を余儀なくされた影響で、20万1,000台減少を余儀なくされている。

今年1年間の世界の自動車メーカーの新車生産は、半導体を中心とした自動車部品の供給不足で、500万台~700万台の減産を余儀なくされるとBCGグループは指摘している。

自動車生産にとって欠かせない半導体の供給体制が正常化するのは、2022年上半期にずれ込むと全国自動車工業会(Anfavea)のLuiz Carlos Moraes会長は憂慮している。

全国自動車工業会(Anfavea)では、今年のバスやトラックを含む自動車生産は、前回予想の前年比25%増加から22%増加に相当する246万台に下方修正している。

今年のバスやトラックを含む自動車生産が前回予想の25%から22%増加に下方修正された要因として、軽自動車生産が前回予想の25%増加から21%増加に下方修正された一方で、トラックやバスを含む重車両車生産は、前回予想の23%増加から42%増加に上方修正されている。

また今年の新車販売は、前回予想の前年比15%増加から13%増加に下方修正、特に重車両車販売は、前回予想の14%増加から半分の7.0%に下方修正されている。

全国自動車工業会(Anfavea)では、今年のアルゼンチン向けを中心とした新車輸出は、前回予想の前年比9.0%増加から20%増加と2倍以上の上方修正を行っている。

今年6月の新車生産は、各自動車メーカーは半導体を中心とした部品不足による生産調整を余儀なくされて、前月比13.4%減少の16万6,900台に留まり、過去12か月間では最低の自動車生産を記録している。

今年6月のバスやトラックを含む新車生産は、COVID-19パンデミックで必需品以外の製造業が各自治体の要請によるプトロコルによる減産や生産中止を余儀なくされていたために、前年同月比69.6%の大幅増加を記録している。

今年上半期の新車生産は、前年同期比57.5%増加の115万台、今年6月のブラジル国内の半数の自動車メーカーは、半導体供給問題で生産調整を余儀なくされている。

今年6月の自動車ディーラーの新車販売は、半導体不足の影響で特定の新車生産停止で前月比3.3%減少した一方で、前年同月比では32.8%増加、今年上半期の自動車ディーラーの新車販売は107万台を記録している。

今年6月の自動車輸出は前月比9.4%減少の3万3,500台、前年同月比では72.6%増加、今年上半期の新車輸出は、アルゼンチン向け輸出が牽引して前年同期比67.5%増加の20万100台を記録している。今年6月の自動車業界は、1,350人の従業員を解雇したために、業界全体では10万2,700人に減少している。

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