金融市場関係者の予想によると、今年の肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などに含まれ、食事から摂取できる栄養素である蛋白質関連製品の平均インフレ指数は、5.9%に達すると予想されているインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を大幅に上回る10%を突破する可能性が見込まれている。
蛋白質関連の生産者は、国際コモディティ価格の上昇による飼料価格コストの上昇並びに食肉や鶏卵の生産減少が蛋白質関連商品の価格上昇に繋がっていると指摘している。
昨年3月からのCOVID-19パンデミックの影響による失業率の高止まり並びに一般家庭の所得減少に加えて、食肉価格の上昇は、より安価な蛋白質の摂取を余儀なくされている。
コンサルタント会社LCA社は、今年の牛肉価格は前年比17.6%と食肉の中で最大の価格上昇を予想、豚肉15.1%増加、鶏肉は11.8%とそれぞれ二桁台の値上がりを予想している。僅かに鶏卵価格は7.6%の人桁台の値上がりに留まると予想している。
ブラジルスーパーマーケット協会(Abras)では、7月末から8月初めにかけて鶏肉価格は、10%から15%の値上がりを予想している。牛肉価格の上昇に反比例するように、牛肉よりも価格の安い鶏肉、鶏卵並びに豚肉による蛋白質の摂取が増加傾向となっている。
ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)の調査によると、食肉生産用の飼料高騰の影響で、過去12か月間の鶏肉生産コストは52.30%増加、豚肉は、47.53%増加を余儀なくされている。
食肉生産用の飼料の原材料となる過去12か月間のトウモロコシの卸売価格は、79.4%上昇しているが、今年1年間のトウモロコシ価格は、39.8%の大幅増加予想、大豆価格は7.2%増加画見込まれている。
昨年6月の一般家庭の鶏肉の平均購買価格は、36.62レアルであったが、牛肉価格の高騰で鶏肉の平均購買価格は、43.95レアルに増加しているとブラジルスーパーマーケット協会(Abras)のMárcio Milan副会長は指摘している。
昨年の牛肉価格は前年比16.2%増加、今年は17.6%増加するが、2022年の牛肉価格は一転して、マイナス3.0%の値下げをLCA社エコノミストのFábio Romão氏は予想している。
前期同様に豚肉価格は29.5%増加、15.1%増加、マイナス1.6%、鶏肉は17.1%増加、11.8%増加、マイナス2.7%、鶏卵は11.4%増加、7.6%増加、マイナス0.5%がそれぞれ予想されている。