ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の発表によると、2021年6月の鉄鋼卸売り業者による鉄鋼製品販売は、前年同月比118.1%増加の22万5,970トンを記録している。
今年上半期の鉄鋼製品輸入は、前年同期比103.8%増加の94万4,390トン、また今年6月の平板鋼を含む鉄鋼製品輸入が36万4,400トンまで急増している要因として、6月の輸入鉄鋼製品の価格は、今年1月~2月の国産の鉄鋼製品価格よりも200ドル~300ドル安いために、鉄鋼製品輸入が急増している。
また今年の輸入鉄鋼製品のマーケットシェアは、更に増加するとブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)のCarlos Loureiro会長は指摘している。
今年6月のブラジル国内の鉄鋼製品の卸売販売は、前年同月比3.3%増加の30万トン、前月比ではマイナス6.4%を記録、今年上半期の鉄鋼製品の卸売販売は、前年同期比28.8%増加の192万トン、6月の過去12か月間では、25.7%増加の404万トンを記録している。
6月の1日平均の鉄鋼製品の卸売販売は、1万3,600トンと平常レベルに接近してきており、今年7月の鉄鋼製品の卸売販売は、前月比マイナス7.7%に相当する27万7,000トンをCarlos Loureiro会長は見込んでいる。
今年6月の鉄鋼製品輸入は、前年同月比16.8%増加の34万7,300トン、前月比では僅か0.5%微増、今年上半期は、前年同期比31.3%増加の203万トン、6月の過去12か月間では、22.5%増加の394万トンを記録している。
6月の卸売業者の鉄鋼製品の在庫は、営業日数換算で2.6ヶ月に相当する78万5,800トン、5月から6月にかけて約5万トン増加、7月の鉄鋼製品の在庫は、営業日数換算で3.1ヶ月に上昇すると予想されている。
今年上半期の鉄鋼製品価格は既に65%上昇、過去12か月間の鉄鋼製品の値上げは160%~170%に達しているが、今後短期間の値上げは、行われないとCarlos Loureiro会長は指摘している。
現在の輸入鉄鋼製品と国産品の価格差は15.0%前後の差があるが、ドルの為替はR$5.20~R$5.00で、鉄鉱石、石炭並びに鉄屑国際コモディティ価格が安定していると仮定するならば、短期間の鉄鋼製品価格の値上げは、行われないとCarlos Loureiro会長は指摘している。